メニエール病と水分摂取

 頭ではわかっているのに、つい正反対の行動になってしまう。現在の
トイレットペーパー騒動がまさにそれですよね。経済学に心理的要素を
交えて研究する新たな学問分野「行動経済学」では、バイアスという
表現で、不合理な行動を説明しています。

 現在のマスクパニックやトイレットペーパー騒動は、行動経済学でいう
「損失回避」「利用可能性ヒューリスティック」「同調効果」などで説明
できるかと思います。頭で考えることはエネルギーを使うため、直感で
判断しやすい行動をとってしまうということだそうです。
行動の前に、まず一息ついてみましょうか。

 さて、本題はメニエール病です。めまい症状を主とするメニエール病は
漢方薬との相性が良く、私の印象ではメニエール病の6~7割は、五苓散や
苓桂朮甘湯、当帰芍薬散、八味丸など利水作用のある薬で改善します。
つまり水分代謝が悪いために症状が出ていると考えられます。

水分代謝が悪いわけですから「水分摂取を控えましょう」とアドバイスし、
事実、その方法で改善するケースが大多数です。

 また、現代医学的にもメニエール病は内耳のリンパ水腫が原因とされ、
長らく水分摂取を控えるよう指導されていました。東洋医学的にも現代
医学的にも、何ら矛盾はなかったわけです。

 しかし2~3日前、ある記事に目が留まりました。「メニエール病は
水分を摂取する方が良い」という内容です。大雑把に要旨をまとめると、
水分を控えると身体は尿を減らすホルモン「抗利尿ホルモン」を出して
抵抗します。逆にリンパ水腫がひどくなるというのです。

 だから反対に水分摂取を増やせば、尿が出てリンパ水腫が軽くなると。
10年も前に北里大学のグループが発表しているのです。ガ~ン!
私は、一昔前の知識でめまい・メニエール病の相談を受けていたことに
なります。

 ただ、水分摂取を控えるようにして漢方薬を卒業できた人も多数おり、
どのように理解したらいいのか、今悩んでいます。水分を摂取しながら
利水作用のある漢方薬を飲むのも矛盾していますし・・・?

 今後は、水分を摂取するようアドバイスを行い、今までと効果を比較
しながら、納得できる理論・モデルを作る必要があります。ヒトの身体の
不思議さを改めて認識しました。


  漢方薬と東洋医学の相談、心療内科と心の相談、丁寧な説明
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  薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和
 
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