花粉症と足の冷え

 インフルエンザに対しては、ワクチン接種よりもマスクと手洗いの徹底が
効を奏していることは、コロナ禍の人々の行動で証明されました。残念ながら
新型コロナウィルス感染に対しては、人との接触を減らさなければならない
ので、マスク・手洗い・行動制限がセットになっています。

 ウィルスより粒子径の大きな花粉なら、きちんとしたマスク着用で確実に
花粉症の発症を防げるのでは?という疑問があります。昨年は花粉の飛散量が
少なかったこともあり今年の状況次第と言えますが、今のところ、花粉症に
冠してマスクの効果は限定的との印象を持っています。

 とすれば、花粉症の発症は〈花粉+α〉として考えることが必要なのでは
ないかと思うのです。最近の報告では、黄砂やPM2.5などの粒子が
花粉症の増加に関係していると言われ、事実スギ花粉の多い日光市よりも
都心の方が患者割合が高いことで納得できます。

 また、スチーム吸入や蒸しタオルで症状が軽快した経験を持つ人も少なく
ないと思います。そう、鼻粘膜を温めるとよいのです。この鼻粘膜の血流は
足の温度と相関するという研究があり、足を温めると花粉症症状が軽減する
ことがわかっています。

 確かに、花粉症の漢方薬として多く使用される小青竜湯は、肺を温める
作用がありますが、腎炎などに使用することもあり腎(すなわち下半身)を
温める働きもあるのです。そのように考えると、花粉症に使用する他の
漢方薬(苓甘姜味辛夏仁湯、苓姜朮甘湯、麻黄附子細辛湯、など)も腎を
温めることがわかります。

 その一方で、目の痒みなどは熱症状として捉えること多いので、足を温める
にしてものぼせるような温め方は人によって逆効果になるでしょう。何ごとも
ほどほどにというのが、漢方医学の背景にある東洋哲学ですので気持ちを緩やか
に持って生活することが大事です。因みに足が冷える原因の一つにストレス反応
としての血流低下があるのです。

 花粉症の治療には、抗ヒスタミン薬が普通使用されます。妊娠や副作用などで
抗ヒスタミン薬の使用をためらっている場合は漢方薬も選択肢の一つとして考慮
ください。そして、小青竜湯を使用したけど効かなかったという場合は、プロで
ある漢方薬に詳しい薬剤師・医師にご相談ください。
あわせて、当薬局の漢方相談コーナーも参照いただければと思います。


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  薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和
 
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