胃食道逆流症と食道がん

 私にとってゴールデンウイーク=農繫期です。ですから、出かけるにしても
トラックorトラクターor田植え機に乗って田んぼに行く程度。行楽とは無縁の
時期です。不要不急の外出を控えるように言われていますが、農作業をしない
としたら、私はどのように時間を過ごすだろうかと考えたら・・・。

 さて、飲食は身体に必要な栄養や水分を摂取する以外に、生活を楽しむ
という側面もあります。その側面が現在のコロナ禍において感染を助長する
ようにも作用しています。あるいは味覚・嗅覚を通して脳に快楽という刺激
を与え、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病の原因にもなります。

 いずれにしても功罪のある飲食ですので、できれば功を多く罪を少なくする
ような工夫を取り入れたいものです。ただ、功を多くと言っても、意外にも
胃腸の調子に不安を感じている方が多いのが現状です。不規則な生活リズムや
ストレス社会を反映しているようにも思えますが、ムカムカする、吐き気が
ある、げっぷや胸やけ、食欲不振、胃のもたれ感、などで飲食を楽しめない
人の多いこと。

 このような場合、いわゆる胃腸薬の出番となります。制酸剤で胃酸を抑え
荒れた粘膜の修復を促します。H2ブロッカーやPPIという強力に胃酸を
抑える薬剤の登場やピロリ菌の除菌で胃潰瘍・胃炎が治りやすくなりました。
でも、ピロリ菌除菌により逆流性食道炎になりやすいという皮肉な結果も
新たな課題となっています。

 胃潰瘍・胃炎や食道炎では、粘膜細胞が炎症を起こしています。炎症とは、
細胞が破壊されているということで、壊れた細胞の修復を繰り返すうちに
がん細胞ができることもあります。ですから、炎症や潰瘍をそのままにせず
早めに治療しましょうというわけです。

 また近年のトピックスとして、ガンの発生・成長に炎症などに伴う微小環境
が注目されています。簡単に言うと、壊れた細胞からガンの発生や成長を促す
物質が分泌されるため、ある意味で積極的にガン化しているようなのです。

 そして慢性炎症も各方面で頻繫に登場するキーワードですが、どんな小さな
炎症でも先ほどのガン化を促す物質が分泌されています。そこで、慢性炎症に
よるガン化を抑えようと研究されており、有効な物質が見つかっています。

 その中には漢方薬もあり、高い安全性という点で慢性炎症対策に安心して
使用できると考えます。もちろん、ビタミンCやEのような抗酸化ビタミンも
高い安全性があるので使用する人の状態により選択すれば良いことです。

 「胸やけ」「ちょっとムカムカする」程度でも、放置すればガン化を促す
サインかもしれません。逆に、症状を軽減する対策により人生が明るくなった
と表現するくらい飲食の楽しみを取り戻す方もいます。人生が明るく変わり、
ガン化を抑えることができるのなら一石二鳥だと考えます。


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