改めてマスクの意味を考える

 ワクチン接種者が増えるにつれ、感染防御に対する気持ちは、どうしても
緩みがちになります。誰が悪いというものではなく、人間の本性とでも言う
べきものなのでしょう。でも、だからといって、このままでいいとは思って
いません。

 以前から気になっていたのは、バラエティー番組などで見かけるマウス
シールド(私は「なんちゃってマスク」と呼んでます)。着用者本人が話す
際の大きな飛沫の飛散をある程度防止する効果はありそうです。しかし、
大部分を占めるエアロゾル状の粒子の飛散はほとんど防止できません。

 また、着用者自身の感染防御効果に至っては、全くと言っていいほど
期待はできません。せめてもの救いは、テレビ番組などで見ているものの
一般社会ではまず見かけないということでしょうか。気がかりな点は、
「マスクの代わりにマウスシールドでもいい」とのメッセージになるかも
知れないという点です。

 さて、本題です。西村秀一氏(国立病院機構仙台医療センター)の行った
実験によると、マスクの素材により効果に大きな差が認められました。
一般的に使用されている、不織布のサージカルマスク、布製マスク、ウレタン
マスク、での粒子阻止率の比較です。データは東洋経済オンラインより。

 マスクの素材による粒子阻止率 カッコ内は粒子の大きさ
 不織布マスク 99.1%(>5㎛) 90.8%(0.3~0.5㎛)
 布製マスク  35.3%(>5㎛) 16.4%(0.3~0.5㎛)
 ウレタンマスク 8.2%(>5㎛)  0.9%(0.3~0.5㎛)

 このデータを見る限り、布製マスクやウレタン製マスクは、不織布マスクに
比べかなり性能が落ちると判断せざるを得ません。マスクを着用している人は
少なくとも自身が感染しないように、あるいは感染リスクを減らすために、
着用しているはずです。

 感染防御という視点でマスクを使用する場合は、「密」の生じる場所や場面
では少なくとも不織布マスクを着用するのが効果的と考えます。そして「密」
とは無関係な場所では、布マスクやウレタンマスクでも構わないと思いますし、
非着用だってあり得るのではないでしょうか。
メリハリがないと、収束の見えない中、緊張感が持続できないですから。


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