人ぐすり、時ぐすり、詞ぐすり

 当たり前のことですが、薬局は物質としての「薬」を扱う場所
です。何らかの苦痛や異常があり、それを解消させるために「薬」
という物質を使います。

 全ての苦痛や異常を解決できるわけではありませんが、それでも
工夫をしながら現代の医療は発展してきました。しかし一方で、
「薬」という物質でなくても、苦痛を癒すことがあります。
物質ではありませんが、それらも立派な「くすり」なのです。

 「人(ひと)ぐすり」は、人の醸し出す雰囲気や安心感によって
苦痛を癒します。「手当て」もこの中に含めて良いかもしれません。
子どもの頃、ケガをして泣いていても、母親の顔を見たとたん、
痛みが和らいだ経験、このことです。医療者であれば、プラセボ
効果(薬でないのに効果が現れる現象)につながります。

 「時(とき)ぐすり」は、時間の経過と共に癒えていくことです。
大切な人を失った後の深い喪失感など、心のキズには「時間」と
いう「くすり」が必要です。早すぎる回復では、逆に歪んだ脆さが
生じやすいものです。この際、黙って寄り添ってくれる人がいれば
「人ぐすり」として辛さも軽減することでしょう。

 「詞(うたorことば)ぐすり」は、ふと耳に入ってきた歌詞や
ドラマのセリフなどにより、気づきが得られることです。家族や
友人との会話によって得られることもありますし、カウンセリング
や心理療法も「くすりとしての言葉」を扱っています。

 そして、これらは、ある時は単独で、別の時には「薬物」と組み
合わされて、苦痛を癒しています。現代の医学・薬学を無視して、
これらの「くすり」を使うのならば、場合によっては誤った使い方
になることでしょう。その辺りは、処方する側も処方される側も
注意が必要です。

 反対に、現代医学と「薬物」以外を認めないという姿勢では、
病気という疾患は治せても、病んでいる人を癒せないのではない
でしょうか。医療には、どちらも必要なツールなのです。

 心療内科学会に入り、知識を深め、経験を重ね、人生経験も
積んできた中で、治ること・癒えることを哲学して、現時点で
私が辿り着いた(一応の)結論です。一応というのは、今後も
変わり得るからで、一生かけて答えを探していくものと思って
います。


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     薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和

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