心の健康つくり・レジリエンス

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 心の健康を崩す場面には、いわゆる心理的ストレスの存在があります。
 近年、心理学分野では「レジリエンス」という言葉がよく使用される
ようになってきました。
レジリエンスは、心理領域で「心的なストレスからの回復力・抵抗力」の
意味で用いられ、研究者により
多少違いはあるものの、その要素として
「自尊心」「楽観性」「ユーモアセンス」「問題解決能力」「社会関係」が
重要といわれます。

 ストレス社会といわれる現代を生きる私たちにとって、心の健康を
保つために「レジリエンス」の概念は
必要不可欠であると私は
考えています。
レジリエンスは、「心の体力」とも表現できるため、日頃の取り組みが
重要です。「レジリエンス強化(心の体力つくり)」には、ある程度の
気持ちの余裕を必要とするからです。

 増井武士が「こころの整理学」のなかで「調子のよいときのケアが
次の悪いときを規定する」と述べているように、
メンタルが
不調のときは、心の安静を優先し、回復とともに少しずつ
レジリエンス強化に取り組むと良いでしょう。

 このレジリエンス強化に効果的なプログラムは、まだ完成して
いませんが、基本的な部分は決定しています。
〈自尊心を高めるワーク〉や〈家族療法のリフレーミング〉
〈問題解決技法〉〈交流分析〉〈対人関係療法〉〈アサーション〉
などを取り入れて構築する予定です。

 レジリエンスの概念は、WHOも注目している「健康生成論」に
近いものだと言えます。
「健康生成論」では、病気の原因を特定する「疾病原因論」と異なり、
「なぜ病気にならないのか?」
「どうして健康なのか?」の視点で、
健康度を増進するプラス要因を強化するように働きかけます。
心の健康つくりにおけるレジリエンスも同様で、ストレスに抵抗する
心のプラス要因を強化します。
そのことは結果的に、心の不調を予防し、また不調からの回復を促し、
再発を防ぐのです。

 メンタルヘルス向上のために、ぜひ「レジリエンス強化プログラム
(仮称)」に参加していただけたら幸いです。