眼・耳・鼻・口

《ドライアイ》
  日常的にパソコン・スマホなどを使用することにより、ドライアイによる
 疲れ目が増加しています。一般的にドライアイ用の目薬が使用されますが、
 場合によっては目薬の使用により逆にドライアイを悪化させることもあり、
 注意が必要です。目薬で効果不十分な場合は、ビタミンA・D製剤や漢方薬
 で体内から潤す方法も検討します。
 また重度のドライアイでは、シェーグレン症候群などの病気が背景にないか
 などのチェックも欠かせません。

《緑内障》
  基本的には、眼圧の正常化が何よりも優先されます。ただ、日本では眼圧が
 正常な正常眼圧緑内障が4割ほど占めるとされ、眼圧検査では発見できないと
 いう問題があります。40歳を過ぎたら眼底検査で早期発見したいものです。
  緑内障の怖さは失明の危険性があることです。そこで、眼圧を多種類の点眼
 薬で調整しつつ、失明を予防するために視神経の保護も並行して行う必要が
 あります。微小血管での血流改善や酸化ストレス(活性酸素)対策が、その
 カギを握ると思われ、漢方薬やサプリメントの効果が期待されます。

《ものもらい(麦粒腫)》
  ものもらいは細菌感染症なので、抗生物質・抗菌薬が治療の基本です。
 ただ、一般的な薬局では抗菌薬の目薬くらいしかありませんが、ある程度
 進行したものもらいには効果が期待できません。その場合でも、細菌感染
 に効果的な漢方薬で治癒したケースが多数ありますが、いずれにしても
 相談のタイミングが重要です。

《めまい》メニエール病、良性発作性頭位めまい症、持続性知覚性姿勢誘発めまい
  めまいは、脳腫瘍などの悪性疾患を除けば比較的に漢方薬の効果が期待
 できます。東洋医学的には、水逆や水滞によるめまいが7~8割、瘀血など
 他の原因が2~3割かと思います。ただ、多くの人が不安症などを伴って
 おり、認知行動療法や自律訓練法などで不安の改善を図ることも重要です。
 また、めまいリハビリも有効なので、併せて行うようアドバイスしています。

《耳鳴り》
  治療ガイドラインでも示されているように、現在これといった決め手となる
 治療薬はないとされます。漢方薬中心の経験ですが、若い人ほど治りやすい
 印象はあります。逆に、加齢性の難聴を伴う耳鳴りの場合は生理現象としての
 加齢変化なので、耳鳴りをゼロにすることは難しいと思われます。
 ただ、耳鳴りの程度を軽くして日常生活に差し支えない状態までもっていく
 のは多くの場合で可能です。漢方薬に加え、認知行動療法やマインドフルネス
 や森田療法により、耳鳴りに支配された生活からの解放を図ります。
《蓄膿症(慢性副鼻腔炎)》
  慢性副鼻腔炎は、鼻だけでなく全身の病気の原因になることがあります。
 治りにくい皮膚病や慢性咳嗽は一例ですが、慢性炎症の性質を考えると生活
 習慣病の進展に深く関係していると考えられます。漢方薬で症状改善および
 体質改善を図ります。
《匂いがしない》
  多くあるのは、感染後の嗅覚異常です。何故かわかりませんが、漢方薬の
 当帰芍薬散での改善例が多く報告されてます。血流改善や新陳代謝促進が
 ポイントと思われます。

《歯周病》
  今や歯科疾患の枠を超え、全身疾患の原因としてクローズアップされて
 います。場合によっては、感染性心内膜炎や敗血症などの致命的な疾患、
 リウマチなどの自己免疫疾患、自閉症や認知症などの精神・神経疾患、
 不妊症や早産など婦人科疾患、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)など
 代謝性疾患、など多岐にわたります。基本はブラッシングや歯石除去の
 歯科治療ですが、全身を総合的に視ることが一番重要なことと考えます。

《口内炎》
  いわゆる口内炎用の外用薬で3~5日間を目安とします。治りにくい
 場合や繰り返すケースでは、セカンドラインとしてビタミン剤を、さらに
 鉄や亜鉛などのミネラル補給を考えます。「ササヘルス」は粘膜修復作用
 と鉄分補給により、口内炎に有効な医薬品です。
 抗がん剤の副作用としての口内炎に、オウレン含有の漢方薬が使用され、
 良好な治療成績が報告されています。

《口臭》
  口臭に対し効能がある医薬品が「ササヘルス」です。ササの葉に含まれる
 抗菌成分が、有効に作用している可能性がありますが、よくわかりません。
 1~2週間の服用で効果が実感できると思います。

《舌が痛む》 舌痛症
  大部分は口腔内に器質的異常を認めないようです。そこで一般的には、
 歯科心身症の範疇に入れられてます。漢方薬が有効なケースもありますが、
 漢方薬と心身医療の組み合わせが必要と考えます。
 当薬局では、マインドフルネスや森田療法のほか、催眠療法なども取り入れ
 全人的に対応しています。