脳神経内科(頭と神経の病気・症状)

《頭痛》 偏頭痛(片頭痛)、筋緊張型頭痛、群発頭痛、など
 正確な統計をとっているわけではないのですが、大雑把に言って頭痛相談の
2~3割の方が、頭痛薬などの鎮痛薬の使い過ぎにより、頭痛が悪化している
との印象があります。
 まず、くも膜下出血や緑内障などの可能性を判断します。以前、小脳梗塞が
疑われる方を救急車で病院に紹介したこともあり、薬局の相談だから重大な
病気がないとは言い切れません。
 鎮痛薬の使用状況・効果の確認などの情報により、適切な薬剤の提案・説明
を行います。
「鎮痛薬を減らしたい」と相談されたり、冒頭の鎮痛薬の使い過ぎによる頭痛
などは、漢方薬を中心に考えます。
場合により「頭痛日記」をつけてもらい、悪化要因を探り、生活スタイルの
見直しをアドバイスしたり、筋緊張型頭痛では筋弛緩法などのリハビリ体操を
一緒にやると、鎮痛薬や漢方薬を上手に減らすことにつながります。

《認知症》 アルツハイマー型、レビー小体型、脳血管型、など
 薬局での相談は主に「認知症の予防」になります。時々、周辺症状といい
ますが、怒りやすい・興奮しやすいなどの相談で漢方薬を使用することも
あります。
 数人の認知症専門家に「自分で行っている認知症予防策は何ですか?」と
直接尋ねたことがあります。その答えは「生活習慣病対策と同じ」でした。
つまり、高血圧・糖尿病・脂質異常症などに注意した生活が一番の予防策と
いうことです。「アルツハイマー型は脳の糖尿病」とも言われますね。
 脳神経細胞の傷害を軽減し血流・栄養状態を改善する意味で、EPAに
注目しています。慢性炎症を改善するとのデータもあるので、魚介類を
積極的に摂取することをお勧めします。
 アルツハイマー型認知症ではアミロイドβが、レビー小体型認知症では
αシヌクレインが発症に関わっているとされ、睡眠(量も質も)を改善する
ことは重要と考えています。かと言って安易な睡眠薬服用も??です。
ひろはし薬局では、自律訓練法・認知行動療法・マインドフルネスなどを
取り入れた睡眠衛生指導を行っています。
「心の病気・自律神経失調症」>「不眠症」も参考にしてみてください。
 脳と腸は互いに影響を及ぼしてますので、特に便秘に注意しつつ腸内
環境の改善も認知症予防に有用と考えます。
レビー小体型認知症の原因となるαシヌクレインは、パーキンソン病の
原因でもあり、腸内で発生して脳に移行するとされます。
多発性硬化症も腸内のヨーネ菌と関連があるとの報告があります。
最新の報告によれば、腸内環境・腸内細菌叢の改善は認知症予防に
大きな可能性があると判断できます。

《脳梗塞後遺症》

《パーキンソン病》
 レビー小体型認知症と同じくαシヌクレインが原因物質とされます。
パーキンソン病を発症する前~発症初期に、便秘を伴うことが多い
ようで、《認知症》でも触れたように腸内環境・腸内細菌叢の改善に
より、パーキンソン病の予防や進行防止が期待できます。
また、むずむず脚症候群も便秘と同じく初期に発症しやすいとされ、
健康寿命・快適寿命延伸の視点からも注意深く観察したいものです。
むずむず脚症候群の一部で鉄剤が有効なこと、手足の動作の状況など
から、漢方薬では血虚を改善する補血薬を中心に考えます。

《筋萎縮性側索硬化症》

《多発性硬化症》

《不眠症》
「心の病気・自律神経失調症」>「不眠症」にあります。