新型コロナウィルスの影響で自粛ムードもあり、本来のゴールデンウイーク
の雰囲気とは相当違った印象を多くの人が受けていることと思います。
追い打ちをかけるように、芸能人の訃報も入り、滅入るのも自然なことですね。
志村けんさんが亡くなり、先週は岡江久美子さんも亡くなりました。遺族に
とっては大切な儀式となる「最期のお別れ」をすることもなく、遺骨だけを
受け取るという映像には、誰しも少なからずショックを受けたのではないで
しょうか。新型コロナウィルスの影響による死別には、何らかの心理的な介入
が必要になるような気がします。
新型コロナウィルスは、比較的若い世代であっても死に至るウィルスだと
言えます。そのキーワードとして岡江久美子さんの報道で「サイトカイン
ストーム」という用語が使用されました。サイトカインストームとは「免疫の
暴走」とも表現されます。
私は、「免疫力を高める」という表現は不正確過ぎるため嫌いです。ある
免疫学者は「『免疫力を高める』という表現をする医者は信用しない」と
言っているほど、曖昧な表現なのです。免疫の暴走ですから、ブレーキに
相当する「制御性免疫細胞(Tregなど)」がストップをかけられなかった、
ということなのです。
実際の免疫システムには、多くの免疫細胞があり、それぞれの役割を
担っています。その時の免疫細胞同士の信号にサイトカインという
物質が使用されます。サイトカインも多数あり、インターロイキンだけでも
50種以上あるようですし、TNAα(腫瘍壊死因子)、インターフェロン
などもサイトカインの仲間です。
それらサイトカインがウィルスに侵された細胞を破壊するために大量に
放出される現象が「サイトカインストーム(免疫の暴走)」なのです。
ウィルスに侵された細胞といっても、元は自分の臓器の細胞ですから、
サイトカインストームで破壊されたら、臓器は機能不全になるわけです。
岡江久美子さんは残念ながらこのサイトカインストームにより臓器傷害
が進み亡くなったのでしょう。自動車事故もそうですが、エンジンのパワー
だけ良くなっても、自動車自体を安全に制御するブレーキやハンドルが
あって、初めて安全で便利な乗り物になるわけです。
単に「免疫力を高める」だけでは、危ない免疫力と言えます。何事も
バランスが大事なのです。もっとも、食事や生活習慣、あるいはサプリメント・
健康食品で、免疫のエンジンだけがパワーアップするとは考えづらいですが。
「免疫力を高める」という文脈では、一般的にNK細胞という免疫細胞を
指しているようですが、多数ある免疫細胞の一つをとって論じても、全体の
免疫システムにどのような変化があるのかまではわかりません。
免疫システムを強力にしつつも安全で働いてもらうために、私が重視する
ことは、まずバランスの良い食事と充分な睡眠です。そして、そのためにも
良好な人間関係も重要なのです。精神的ストレスが溜まるような日々では
食事も睡眠も良好とは言えません。
さいわい遠出しなくても、今の時期は色とりどりの花が咲いています。
何気ない足元の名前すら知らない草花であっても、よく見ると意外に
美しいものです。そんな小さな幸せを探すゴールデンウイークであっても
いいのではないでしょうか。
辛い状況ですけど、なんとか乗り越えましょう。
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