日本で実施されたある研究で、マスクをする理由を尋ねたそうです。一番
多い理由が、「みんながしているから」だったそうで、私はいかにも日本人
らしい回答だと思いました。ブラックジョークに似たようなものがあったか
と・・・。でも本当は、拡散防止や予防という回答が大多数を占めて欲しい
ですよね。
アベノマスクを配布した安倍総理は、見るたびに疲労がたまっている様子
でした。辞任の原因は潰瘍性大腸炎の再発(悪化?)と伝えられてますが、
新型コロナウィルス対策のストレスと無縁ではないでしょう。
発熱および疼痛とならんで、疲労も身体のアラームサインだということを
改めて認識する必要があります。ただ疲労は軽視されやすいので、アラーム
としての疲労の場合は、一晩寝ても解消しない疲労というように区別すると
いいと思います。
潰瘍性大腸炎と診断されている人は10万人以上で、日本で増加している
疾患の一つです。名前の通り、大腸に潰瘍ができる病気で、そのために下痢・
粘液便・腹痛・便失禁などの症状が現れます。
私が辛いだろうと想像するのは、おならをしたら便を失禁してしまったと
言う場合です。ですので、オムツをしている患者さんもいるのです。そういう
点で、日常生活に大きな支障が生じる病気だと言えます。
潰瘍性大腸炎の原因は、未だによくわかっていません。遺伝的要因もある
ようですが、増加傾向にあるので食事や腸内細菌叢などの環境因子の影響、
最終的には免疫系の異常で、大腸に炎症が生じ、潰瘍・ただれ・びらんなど
粘膜変化が現れるとされています。
安倍総理大臣の場合は、連日の新型コロナウィルス対策による疲労に、
さまざまな身体的・心理的ストレスが加わり間接的に、腸内細菌叢の乱れ・
免疫系の異常が、辞任までするような潰瘍性大腸炎の再発(悪化)になった
と考えます。
治療は、異常な免疫系を抑える薬剤が使用されます。副作用などのリスクが
少ない方法が中心になりますが、治りにくい場合はステロイド剤を使用したり、
バイオ製剤などが用いられます。最悪の場合は手術で大腸を切除することに
なりますが、バイオ製剤の登場で手術は減っているように思います。
トピックスとしては、乱れた腸内細菌叢を修正するため「糞便移植」という
方法があります。他人の便(の中にいる細菌叢)を移植するわけで、症状が
改善するとの報告があります。その視点で、プロバイオティクスとしての
整腸剤やヨーグルトの摂取もされますが、まだまだ発展途上の印象です。
漢方薬では、故鍋谷欣市氏が桃黄湯を用いて7割以上の成績を報告されて
います。東洋医学と心身医学をベースにしている私は、ストレスへの対応も
併せています。長期的視点に立てば、薬剤の使用を少なくするために、食事
などの生活習慣やストレスへの対処法なども身につける必要があると考える
からです。
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薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師) 廣橋 義和
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