「機能性低血糖症」という言葉を初めて聞いたのは、15年くらい前だと
記憶しています。その時は「へぇー、本当かなぁ?」程度で聞き流していま
した。その後、糖尿病の専門医にチャンスがあればコメントを求めましたが、
きちんとした回答を得られなかったと思います。(私の理解力不足かも・・)
ただ近年、血糖値を24時間モニターできるような機器が登場し、リアル
タイムでの血糖値を把握できるようになって、糖尿病ではない健常者でも
一時的に低血糖状態になることがわかりました。
そうすると機能性低血糖症は、空理空論ではなく実在する病気と言えます。
「機能性低血糖症」を簡単に説明すると、ファストフードやソフトドリンク
の飲食では急激に血糖値が上がります。もちろん普通ならすぐにインスリン
が分泌されるので高血糖にはなりませんが、このような飲食が続いていると
膵臓からのインスリン分泌が不充分になることがあります。
インスリンが不充分な時は、一時的な高血糖状態ですので、身体はさらに
追加してインスリンを分泌します。時間的な遅れがあるので、インスリンが
効きすぎるタイミングがあり、この時一時的に低血糖になるのです。これが
機能性低血糖症です。
機能性低血糖症の身体症状としては、疲れやすい、頭痛、日中の眠気
、
めまい・ふらつき
、視界がぼやける
、などがあります。精神症状では、
物忘れや思考力の低下、気分の落ち込み、情緒不安定、易怒性などがあり
ます。
心療内科医の姫野友美先生は機能性低血糖症の原因として、砂糖など糖分
の過剰摂取、アルコールの多飲、カフェインの過剰摂取、不規則な食事、
ビタミン・ミネラルの摂取不足
、ストレスなど
の関与を挙げています。
症状や原因を考慮すれば、かなり身近な疾患なのではないかと思います。
このタイプは、そのまま放っておくと糖尿病になると言われています。
気になる方は、専門医での検査や日常生活の見直しを検討してみて下さい。
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薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師) 廣橋 義和
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