咳の鎮め方

 涼しくというより、寒くなって増えてくるのが風邪症状の相談です。
中でも、長引いた咳の相談が目立ちますが、その際に意識していることが
あります。

 いつ頃から咳が出ているのか、痰の有無、咳以外の症状、発症原因として
思い当たること、今までの治療内容、などの確認です。咳は、肺や気管支に
異常がなくても発生するので、咳の発生源を探るために色んな角度から質問
していくのです。

 例えば、逆流性食道炎や慢性副鼻腔炎、心不全などが思い浮かびます。
でも、小児が急に咳き込んだ場合だと異物の誤飲を可能性として考えます。
当然のことながら、発生源により対処法が異なってきます。

 その結果、肺や気管支に問題があれば、感染症なのか、アレルギー疾患
なのか、あるいはガンのような病気なのかを考え、対応策を話し合いながら
決定します。時間はかかりますが、重要なプロセスだと考えています。

 個人的な経験も交えると、咳の相談に対しては漢方薬はかなり有効な
治療薬と言えます。痰の出る咳に対しては、痰を上手く処理することが
ポイントです。去痰作用のある化学薬品もありますが、私の印象では
漢方生薬の方が優れていると感じます。

 また、咳が発生する肺や気管支の粘膜の状態も重要ですが、乾燥・湿潤
という概念を持つ東洋医学には、粘膜や痰の状態に応じた漢方薬が多く
存在しています。総合すると、漢方薬の方に軍配が上がるのです。

 ただ、多数ある漢方薬の中から適切な漢方薬を選び出すのは、専門知識が
ない人にとっては困難と考えますし、副作用などのリスクもあります。
面倒かもしれませんが、漢方薬・東洋医学に詳しい医師・薬剤師に相談する
のが、一番の早道だと思っています。


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     薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和

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カテゴリー: 肺と気管支・呼吸器感染症 タグ: , パーマリンク

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