じんましんの原因は皮膚に聴く

 皮膚は何かを語りかけているのではないだろうか?
そんな風に考えることがあります。
「皮膚は第二の脳(二番目が腸なら、第三かもしれませんが)」
とも言うように、記憶や何らかの意思表示を示すことが
あるかもしれません。

 たしか50代くらいの男性でした。何十年もじんましんで
悩まされてきたと、漢方薬の相談に来た方です。
子どもの頃の川遊びがきっかけで、じんましんを発症した
ことがわかりました。

 それをヒントにして辿り着いた漢方薬で、何十年も悩ま
されてきたじんましんが見事に治ってしまったのです。
皮膚が何十年も前の出来事を記憶していたかのようです。

 また、70代の男性のじんましんは、きっかけは虫刺され
でした。虫刺されから思いつく漢方薬は、悪くはないものの
一進一退で、改めて普段の生活を聞いてみると、細かなこと
を気にする(気にし過ぎるくらい)性格とわかりました。

 些細なことでも気になってストレスを溜めているようで、
ストレス発散を手助けする漢方薬がこの方には効きました。
ストレスを溜め過ぎないように、安全弁としてじんましんが
出たようでした。

 印象深い二人のケースですが、どうして効いたのかを
時々振り返っては考察しています。その中で、最近閃いた
のが、皮膚って(皮膚だけでなく、どの臓器も)記憶したり
何らかの意思表示をするのかな?ということです。

 研究の結果、いろんな臓器がサイトカインという物質を
出して、別の臓器とのコミュニケーションを図っていると
いいます。もちろん皮膚も同様です。でも、サイトカインで
記憶、ともなると正直わかりません。

 ただ、私ら漢方家あるいは臨床家にとって重要なことは
身体の発する声をしっかりと聴くことなのでしょう。
「じんましんの漢方薬ありますか」と相談されても、皮膚や
身体が何と言っているのか聴かないと答えられません。

 ひょっとしたら、何年か後に、皮膚や身体の記憶の仕組みが
わかるかも知れませんね。
「記憶?そんな馬鹿な!」と思っている貴方。今回の話は、
フィクションではありません。貴方は、どう考察しますか?


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