過敏性腸症候群、食事を侮るべからず

 腹痛や腹満、下痢など多彩な腸の症状で多くの人を悩ませる
過敏性腸症候群。成人の6~7人に1人はこの疾患を持って
いるといいます。下痢を中心とするタイプ、便秘が中心のタイプ、
下痢と便秘が交互のタイプなどがあります。

 それぞれのタイプに合わせて治療薬が選択されますが、効果に
対する満足度は決して高くないようで、漢方薬を求めて相談に
訪れる方は少なくありません。

 また、過敏性腸症候群は、消化器系におけるストレス病の
代表ともいえる病気で、認知行動療法などの心理療法も
ガイドラインでは推奨されています。催眠療法も一定の評価を
得ていますが、実施できるところが限られており、日本では
普及しているとは言えない状況です。

 私は、過敏性腸症候群と漢方薬は、かなり相性が良いという
印象を今までの経験から持っています。また過敏性腸症候群で
悩んでいる方の多くは、自分のお腹に対して不安を抱えている
ので、認知行動療法で不安を和らげながら、自律訓練法を身に
つけてもらうことをおススメしています。

 自律訓練法はルーツをたどれば催眠療法まで遡ります。
自己催眠と表現するのはその名残と言えますが、自分一人で
いつでも何処でも実施できるため、スキルを身につけた方は
大きな安心感を得るようです。それが再発防止にプラスの
効果を与えてもいます。

 そのような現状の過敏性腸症候群の治療の一つに、食事が
あります。FODMAP食という小腸で吸収されにくく
大腸で発酵しやすい食品を控える低FODMAP食、または
糖質制限食が、1種類の薬物療法よりも効果的だったとの
報告がありました。
(Nybacka S, et al. Lancet Gastroenterol Hepatol.
2024;9:507-520.)

 スウェーデンからの報告ですから、日本とは普段の食事
内容が異なりますので、このままストレートに受け取るわけ
にはいきませんが、それだけ薬物療法に対する評価が低い
とも考えることもできます。

 人によっては、一般的に腸に良いとされるヨーグルトさえ
症状を悪化させることもあります。薬物療法の効果が今一つ
の方は、すこし面倒でも簡単な食事記録をつけ、症状を
悪化させる食品は控えるようにすると、薬物療法の効果も
高まるのではないでしょうか。

 興味があれば、漢方薬や心理療法も検討ください。


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