子宮筋腫は比較的多くの女性で認められる良性の腫瘍です。
腫瘍と言ってもガンと異なり、転移することはありません。
ただ、女性ホルモンの影響を受けて大きくなるので、転移は
しないものの定期的なチェックは欠かせません。
子宮筋腫があると一般的に月経血の量が多くなります。
女性は毎月の生理があるため貧血になりやすいのですが、
子宮筋腫は貧血をさらに悪化させます。明らかな貧血状態と
なってなくてもフェリチンが低下した隠れ貧血になっている
と思われます。
薬局では、ときどき貧血の相談を受けることがあります。
なかには、健診結果を持参してくださる方もいて、今回の
数値だけでなく過去からの推移も見るようにしています。
数値の推移は、状態が悪化しているのか、同じ程度で
維持しているのか、などの情報を与えてくれます。
悪化にしても、徐々に悪化していたり、急に悪化したり、
パターンの違いがあるわけです。
例えば、貧血の検査で使われるヘモグロビン量が、
10.5(g/dL)だったとすると、貧血が疑われる
わけです。もちろん、ほかの検査値(ヘマトクリット値や
MCVなど)を見て診断は下されます。
このとき、昨年の数値が10.3(g/dL)なら、
同じ程度の貧血状態だと考えられます。
これが、2年前に12.9、昨年が13.1なのに、
今年が10.3と急に下がっていたら、何らかの理由が
あるのではと疑う必要があります。
このような視点で、何人かの子宮筋腫を発見できた
ことがあります。また、男性であったり、50歳以上の
年齢だと、ガンなど別の病気があるかもしれません。
ですから、ある日時の検査結果も重要ですが、過去から
の推移も大切な情報なのです。
ちなみに、東洋医学では子宮筋腫の原因を瘀血(おけつ)
と考えることが多いため、瘀血を散らす目的で駆瘀血剤を
使用します。さらに民間薬的な発想ですがヨクイニンを
加えることもあります。
一般的には、鶏卵大までが漢方薬の適用とされます。
妊娠希望でホルモン療法を望まない方やできれば手術を
避けたい方という方は、一度検討してみてください。
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薬剤師・公認心理師・スクールカウンセラー 廣橋 義和
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