水害は体内でも起きます

 一部地域では梅雨入りしていますね。新潟県はまだまだの
ようですが、沖縄県では梅雨明けしたようで、小さい日本も
意外に大きく感じます。

 気候変動の影響なのでしょうか、近年は局地的な水害が
発生し、線状降水帯という用語も一般に定着したようです。
私が子どもの頃には、夕立ちをひと夏に何回も経験したもの
ですが、近年は夕立ちらしい夕立ちはほとんどありません。

 さて、話題を身体に向けます。「身体の水害」と言えば
通常は、浮腫みや腎臓病、高齢者の心不全、などを思い浮か
べることでしょう。

 ところが、漢方医学の眼で見ると、多くの病気や症状が
水分代謝の影響を受けていることがわかります。そして、
実際に水分代謝を改善する漢方薬でよく治ることが多いの
です。

 その一部を以下に挙げてみます。
頭痛、頭重感、めまい、耳鳴り、滲出性中耳炎、立ちくらみ、
起立性調節障害、乗り物酔い、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、
気象病、悪心、嘔吐、動悸、息切れ、過呼吸発作、
胃部振水音(胃がちゃぽちゃぽした感じ)、下痢傾向、
浮腫み、下半身太り、天気痛、古傷の痛み、関節痛、
朝の関節のこわばり、手足のしびれ(異常感覚・ビリビリ感)、
湿疹、じんましん、排尿異常(排尿困難・残尿感・頻尿)、
身体の重感、月経時の不調、おりものが多い、  …など

 例えば、全ての頭痛が水分代謝の悪化が原因で起きている
とは言いませんが、少なくとも薬局で相談を受ける片頭痛の
大部分は、水分代謝が大きく関係しています。

 上記の病気は、体内で起きている局所的な水害とでも表現
できます。東洋医学では、「水毒(すいどく)」「水滞
(すいたい)」などと呼んでいます。

 東洋医学的に原因がつかめれば、それに対応する漢方薬が
あります。極端な話、それが原因不明であったり、難治性で
あってもです。そのような例は多数報告されていますし、
私も多く経験しています。

 どのような状況で発症したのか、どんな状況で悪化したり
改善するのか。それが天候や湿度と関係ありそうならば、
「水滞」「水毒」という病態かもしれませんね。
是非、漢方薬を選択肢の一つとして検討してみてください。


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