便秘とパーキンソン病

 便秘は、今や単なる不快な症状ではなく、いろいろな病気に
関連する一つの病気だと認識する必要があります。
慢性便秘症の人は、生存率が23%低下するという研究
(Am J Gastroenterol. 2010; 105: 822-832.)や
日本でも大崎コホート研究で、脳血管疾患リスクが1.9倍、
循環器疾患リスクが1.4倍高くなることが示されてます。
(Atherosclerosis. 2016; 246: 251-256.)

 他にも、腎臓病のリスクであったり、認知症のリスクなど
身近な病気だけに、しっかりと改善することで、将来の多くの
病気を予防することにつながりそうです。

 その一つ、パーキンソン病と便秘の関係を復習してみました。
パーキンソン病の原因は腸内でできたαシヌクレインが神経を
伝わって脳細胞に溜まることがわかっています。

 便秘症の人は、便秘のない人と比べて2.3倍パーキンソン病に
なりやすいことが報告されています。
(J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2016; 87: 710-716.)

 便秘により、αシヌクレインなどの神経毒性物質の腸内での
濃度が高まったり、腸の粘膜が傷ついて毒性物質が体内に入り
込みやすいのです。(人の体は単純化するとチクワのような
筒状になりますので、胃や腸は内側にある体外とみなせます)

 αシヌクレインの生成には腸内細菌も関与していると思われ
ますので、パーキンソン病を遡れば食事内容に辿り着くだろうと
考えます。

 腸内細菌叢と病気の関係は、最近のホットなトピックスです
ので、腸内環境を整えるための生活スタイルは、パーキンソン病や
便秘だけでなく、ガンや認知症、リウマチなどの免疫疾患など
難病を含めた多くの病気の予防や発症を遅らせることになるで
しょう。

 なお、現在のガイドラインでは、今も頻用されている刺激性
下剤は、できるだけ必要時だけの使用にとどめることになって
います。使用者の満足度は高いものの、便をただ出すだけで
なく、如何に依存させないように出すか、という視点に重点が
置かれる時代なのです。

 当薬局では、便通日記を作成しているので、記録をつけ
ながら、問題点を見つけられると、より良い便秘対策ができる
と考えます。5年後、10年後の病気を予防するための便通
チェックをしてみたい方は、一声おかけください。


 漢方薬と東洋医学の相談、心療内科領域の心の相談、丁寧な説明
 長岡の相談薬局・ひろはし薬局  TEL (0258)37-7551
 薬剤師・公認心理師・スクールカウンセラー  廣橋 義和

 問い合わせはこちらからどうぞ

 ひろはし薬局LINE公式アカウント開設しました
  ID @198xhqqe  よかったら登録してください

メールは《Re:タイトル》でお願いします。
メールマガジンの申込も随時受付中
     8hirohashi\gmail.com (\は@に変えてください)  

 薬機法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。

 講演の依頼、受付ています。お気軽にお問い合わせください。

 訪問による出張相談・在宅相談にも積極的に応じています。
ひきこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、
病中・病後など体力低下により外出困難な場合、など遠慮なくお申し付けください
カテゴリー: 胃と腸・食道・肝臓・膵臓, 脳・神経系 タグ: , , , , パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です