不妊症と食事

 暖かくなったとはいえ、まだ3月ですね。我が家の庭に咲いた梅の花に雪が積もり、
寒さで身体も引き締まりました。季節の変わり目ですので、体調管理には注意が必要
ですね。

 さて以前から、私は「食事や運動など薬物療法の前に重要なことがある」と述べて
きました。それだけ、栄養や体力などの重要性がデータとして示せるようになったこと
もありますが、実体験していることもあるからです。私の講演でも時々使用している
日本食品成分表では、食物の栄養素の含有量が以前に比べ相当減っています。

 つまり、食事の栄養を今まで以上に真剣に考える必要があると思っています。
サプリメント・健康食品などの利用には消極的な立場ですが、今後は上手な活用が必要
となるでしょう。そして、栄養状態の良い人の方が、病気の回復が早いというデータが
多く発表されるように思います。

 では、本題の不妊症に話を移しましょう。
不妊症に良い食事とは、東洋医学的に考えると一般的には以下のようになります。
  1)身体を温める食物
    寒い地方でとれる物、旬が冬の物、地中にできる物、などが相当します。
  2)黒っぽい食物
    玄米、黒砂糖、海藻類など
  3)ミネラルの多い食物
    魚介類、有機野菜など
  4)豆類
    大豆、小豆、豆腐、味噌、納豆、など
これらは、東洋医学的には、「腎」を元気にします。「腎」は生殖器を含む概念ですの
で、生殖機能を強化することにつながるのです。

 一方、オーストラリアのチームによる研究では、ファストフード(ハンバーガー、
フライドチキン、ピザなど)の摂取が多いほど、妊娠しにくいとの結果が出ています。
フルーツの摂取は逆に妊娠しやすいとのことですが、漢方的には生のフルーツは冷えの
原因となるため、摂取方法に工夫が必要と考えています。

 ファーストフードやフルーツと妊娠との関連は、卵子の老化に影響しているのでは
ないでしょうか。
何にしても、良いと言われる食事ばかりでは、全体のバランスが崩れますので程々に
したいものです。私は、時々身体に悪い食品を無性に食べたくなっています。
 それで、いいんじゃないですかね。


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