首里城の火災や新型コロナウィルス騒動など、大きなニュースが続いて、
四季の移ろいに目を向ける間もなく、早や7月。道路沿いのねむの木に
いつの間にか花が咲いていました。
せめて今年くらいは大人しい梅雨であってほしいと願います。静岡の
知人は大丈夫だろうか?長野・栃木などは、洪水の後始末がまだ終わって
ないよなぁ。などと豪雨のニュースを見ては思いをはせています。
地球の面積の7割は海と言われます。偶然なのか人体の70%は水分だ
そうです。必要不可欠な「水」なのに、そのごく一部の反乱が大きな災い
をもたらすこともあるのです。
梅雨時に悪化する「痛み」も、その一つ。東洋医学的には、「水毒」
「水滞」「痰飲」などと表現されます。体内の水分と梅雨時の湿気が
合体するイメージで、体内で反乱すると痛みが増悪します。
愛知医科大学の佐藤純医師は、「天気痛」と呼んでいます。気圧や
温度変化により自律神経系のバランスが崩れ、痛みの増悪につながると
されます。
痛みが強くなったのなら「鎮痛薬を増量」すればいい、という単純な
発想もあります。自律神経バランスを調えるようなアプローチも有効
でしょう。私は、心理療法としての自律訓練法やマインドフルネスを
おすすめしますが、認知行動療法に取り組んでもいいでしょう。
そして漢方薬なら、「水毒」「水滞」「痰飲」など水の反乱に対する
治療薬は、多数あります。多数ある漢方薬の中から、体質に一番合った
ものを選択するのが専門家の仕事です。
良心的な臨床家なら、さらに生活上のアドバイスをしてくれると
思います。全般的には、水分の反乱を防ぐようなアドバイスになるので、
水分摂取の方法であったり、発汗を促すような生活スタイルの提案が
中心になるでしょう。
痛みの悪化する要因がわかれば、使用する薬も最少量で済みます。
そんな臨床家でありたいと、思います。
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薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師) 廣橋 義和
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