うつ病には薬物療法・心理療法、どちらがいい?

 大寒波襲来で全国的に注意が必要な状況です。雪害だけでなく、インフルエンザ流行もあり、受験生にはベストな環境と公平な判定が与えられることを願っています。あと少しの辛抱で春が訪れますので、今しばらく頑張りましょう。

 私は、漢方薬の世界から心療内科学会につながり、そこからカウンセリング・心理療法の知識を身につけてきました。薬剤師ですから、当然のこととして薬物療法の知識はありますし、薬物療法を中心に考えるクセがあります。でも、カウンセリング・心理療法を知るにつれ視野が広がっており、それぞれのメリット・デメリットも踏まえた上で最適な治療が選択されるのが一番だと思っています。

 そこで、タイトルのようなことを考えてみました。うつ病の程度にもよりますが、自死にもつながる病気ですので、重症なケースや緊急時は、薬物療法が一番でしょう。この点については、誰しも異論はないと思います。問題は、ある程度症状が落ち着いてきた段階からどうするかです。一般的には、そのまま薬物療法を続けて社会復帰してから約1年ぐらいまでは、薬物療法を止めません。その理由として再発するケースが多いため、見かけの状態で判断することは危険とされているのです。

 うつ病の発病に社会的なストレスが関係していることは、多くあります。例えば社会復帰しても、いろいろなストレスが減っているわけではありません。ですから、薬物療法を急に中止しないようにと言われているわけです。

 ここで、カウンセリング・心理療法の世界に足を踏み入れた私は疑問を持ちました。ストレスの中でも、対人コミュニケーションは大なり小なりどなたも抱えている問題でしょう。この問題に対する対処法は、カウンセリング・心理療法の世界にたくさんあります。急性期を脱したのなら、新たなスキルを身につけて再出発の準備に入るのがベストな選択だと、今考えています。

 事実、有名な心理療法に認知行動療法があります。うつ病に薬物療法だけ施したグループと薬物療法と認知行動療法を組み合わせたグループを比較すると、認知行動療法を組み合わせたグループの方が、再発率が低く抑えられているのです。それだけ、社会生活に適応的になったと言うことでしょう。当薬局でも、漢方薬と認知行動療法を組み合わせたり、他の心理療法を行ったりして、改善しているケースが増えています。

 薬物療法はリスクが高いうつ病を中心に使用し、副作用や再発防止を考えると、社会復帰を目指すころや繰り返すうつ病や気分変調症・適応障害と言われるような状態にはカウンセリング・心理療法でストレスへの対処法をスキルとして身につける方が良い結果になると思います。ということで私は「くすりとしての言葉」も上手く使用して行こうと思います。

漢方薬・心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病・不妊症
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)

過去のブログの主なものはホームページにリンクを貼ってありますから、見たい記事がありましたら
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  あるいは⇒http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/sub6.htm

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引きこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、病中・病後など体力低下による外出困難な場合、など

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感染症が治りやすい身体作り

 インフルエンザ流行シーズンに本格的突入です。マスコミでは新しい抗インフルエンザウィルス薬「ゾフルーザ」の話題が多い印象を受けます。医療用医薬品の宣伝活動は禁止されているのですが、マスコミが番組の中で取り上げるのは問題ない(たぶん?)とは言え、天邪鬼の私は裏で製薬メーカーが動いているのでは?などと勘ぐってしまいます。

 感染症に対する免疫力が低下している高齢者や乳幼児、あるいは糖尿病などの持病がある人、等々のハイリスク群に入らないほとんどの人では、抗インフルエンザウィルス薬は治癒までの日数を1日程度短縮するとされています。新薬「ゾフルーザ」は、もう少し早いのかもしれませんが、そこにどれだけの意味があるのかを今一度考えてみる必要があるように思います。

 新薬は未知の副作用を秘めており流行商品のような使用は慎むべきと思うのです。確かに今までの抗インフルエンザウィルス薬とは作用店が異なり治癒までの日数短縮が期待できます。しかし、今までの抗インフルエンザウィルス薬でも十分に効果があるわけです。敢えて、薬価が高く未知の副作用を秘めている新薬を流行商品のように扱うことに違和感を覚えます。

 それはさておき、どんなに医学が進歩しても、優れた抗生物質や抗ウィルス薬をしようしても、治りが遅い人たちが存在します。治る人と治らない人との違いは何なのでしょうか?今までの経験や知識を総合的に分析してみると、一つ目は平常時の体温であり、二つ目は栄養バランスであり、三つ目には生活リズムが重要だと感じています。

 平常時の体温が36℃未満では元々の代謝が悪く、それがいわゆる回復までの時間を延ばしていると考えます。東洋医学的には三陰病に属すると思われ、高齢者や女性に多いパターンです。栄養バランスの悪さは代謝にも影響しますし、回復に必要な生体反応が不十分なため治りが遅くなると考えます。三大栄養素としてのたんぱく質は重要ですが、生体反応に必要なビタミン・ミネラルが現代の食生活では不十分なのではないかと思われます。そして、身体は睡眠・休息している時に傷んだ組織を修復しますが、現代の多忙な生活リズムはそれを許さない状況を使っています。

 せっかく薬価の高い新薬を使っても、回復が不十分なら、仕事上でも勉強でも本来のパフォーマンスが発揮できずに終わるのなら、あまりにももったいないと言わざるを得ません。自身の努力で、改められる点と改められない点とあるでしょうが、改められる点について少しでも工夫してみてはいかがでしょうか。「治りにくいなぁ」と思われている人は、自身の回復力が高まらない要因を分析してみませんか。

漢方薬・心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病・不妊症
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局

   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)

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ひろはし薬局

相談にこだわる薬局を目指しています
・・・そして、少ない薬で最高の効果を出す工夫も

ドラッグストアや調剤薬局が苦手とする相談。(効率が悪いから当然なのですが、・・・)
でも、ひろはし薬局には多くの迷子が相談に来ます。

  • 検査に出ないが、体調が悪い
  • どこに行っても相手にしてもらえない(異常がないを含む)
  • なかなか治らない
  • 治療法がないと言われた
  • 安定剤や抗生物質・ステロイド剤を減らしたい、あるいは使いたくない
  • ・・・ など

実際には医療の隙間で困っている方がたくさんいます。
(西洋医学の長所を知っているはずの看護師さんの相談が意外と多くあります)
そして相談に来られた方が少しずつよくなっていくのが素直に嬉しいのです。
だから、その為に漢方薬の勉強を続けたり特徴ある医薬品や健康食品・ハーブなどを
扱ったり、「手作りの薬」を作ったりしているのです。
また、薬の使い方にもコツがあって、ちょっとした使い方の工夫で効きめがグンと上がる
ので、「弱い薬・少ない薬」で最大の効果が出せるようアドバイスを心がけています。
(結果的に 身体の負担が少ない=副作用が少ない となります)
そのため時間を頂き、症状や体質を伺っていることをご理解下さい。

相談において心がけていること

  • 重大疾患を見逃さない(治療のチャンスを失わない)
  • 最新の勉強を怠らない(漢方相談でも最先端の知識は必要です)
  • 必要なら専門医に紹介する

連絡先

  • 〒940-0033 新潟県長岡市今朝白3-13-13
  • TEL:(0258)37-7551
  • FAX:(0258)37-7552
  • メールアドレス:8hirohashi#gmail.com (#を@に変換してから連絡ください)

廣橋 義和  プロフィール

  • 昭和37年    長岡市に生まれる
  • 昭和60年    明治薬科大学 製薬学科卒
    同 年    薬剤師  登録
  • 昭和62年    日本赤十字社 救急法指導員(~平成7年)
  • 平成元年    本格的に漢方の勉強を始める
  • 平成2年    ひろはし薬局  開設
  • 平成3年    日本漢方協会  入会
  • 平成5年    元日本東洋医学会会長 寺師睦宗氏に師事
  • 平成6年    日本東洋医学会  入会
    同 年    日本薬局協励会  入会
  • 平成7年    南光弘子帝京大学教授(当時)より皮膚科学を学ぶ(~平成10年)
  • 平成12年    日本心療内科学会  入会
  • 平成15年~   新潟県薬剤師会 一般用医薬品・薬局製剤・漢方委員会 委員
  • 平成16年~   日本薬剤師会 薬局製剤・漢方委員会 委員
  • 平成19年    訪問心理療法士(NPO法人次世代育成ネットワーク機構)
    日本自律訓練学会  入会
  • 平成24年    日本皮膚科心身医学会  入会
  • 平成25年    心理学検定1級(日本心理諸学会連合)
  • 平成26年~   漢方三考塾 講師
  • 平成27年    日本東洋心身医学研究会  入会
  •  同 年    日本催眠医学心理学会  入会
  • 平成28年~   新潟薬科大学 非常勤講師(漢方概論)

所属団体および学会

  • 日本薬剤師会
  • 日本東洋医学会
  • 日本心療内科学会
  • 日本自律訓練学会
  • 日本皮膚科心身医学会
  • 日本東洋心身医学研究会
  • 日本催眠医学心理学会

学術活動

  • 第9回日本心療内科学会
    「心身症に対する漢方療法」(パネルディスカッション)
  • 第14回日本東洋医学会新潟県部会
    「原因不明の関節痛に八味丸が効いたと思われる症例」
  • 第16回漢方治療研究会
    「当帰貝母苦参丸の使用経験」
  • 第16回日本東洋医学会新潟県部会
    「回転性めまいの訴えから決定した薬方により治癒した平衡感覚異常の一例」
  • 第17回漢方治療研究会
    「転居先の気象条件を考慮し薬方を変更したアレルギー性鼻炎の一例」
  • 第17回日本東洋医学会新潟県部会
    「食欲不振を伴った強迫神経症の一例」
  • 第42回日本薬剤師会学術大会
    「薬局製剤活用の実際」
  • 第18回日本心療内科学会・学術大会
  •  「繰り返すうつ病に対し薬局での認知行動療法と漢方薬により完解に至った1例」
  • 「気剤としての大黄」(日本東洋漢方医学研究、第29巻,第1/2号,66-69,2014)
  • WWAシンポジウムWHY2015
  •  「当薬局における中断例3例の検討」
  • 第51回日本東洋心身医学研究会
  •  「構音障害を伴った顎関節症と思われる一例」
  • WWAシンポジウムWHY2016
  •  「慢性疲労症候群が疑われた一例」
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