新型コロナウィルス感染症(COVID-19)関連
更新:2023.1.20
【 感染予防対策 】
▽ ウィルスを付着させない
1)侵入経路である粘膜を保護する(メガネやゴーグル、特にマスクの着用)
マスクは不織布マスク以外の効果は薄い
屋外ではマスクの効果は限定的なので、混雑箇所以外では非着用でも構わない
2)以下の空気感染しやすい場所では、目・鼻・口を露出させない
(換気が悪い空間、多人数が集まる場所、他人との距離が2m以内)
3)行動する機会ごとに手洗いをする
4)外出から帰ったら、手洗いだけでなく、できれば洗顔もする
▽ ウィルスを体内に侵入させない(感染させない)
1)粘膜を乾燥させない(湿度だけでなく、口呼吸や瞬きの減少もリスク)
2)粘膜の健康度を高める(たんぱく質、ビタミンAやビタミンC、亜鉛など)
3)漢方薬(解表剤など)で衛気を高めて防御する
(日頃から風邪をひきやすい人、持病のある人、高齢者などは特に用心)
【 発症予防・重症化防止 】
発症する・しない、あるいは重症化する・しないの分岐は、自然免疫および
獲得免疫の機能の差によるものと考えます。
基本的なことながら、食事や睡眠・休養の重要性を改めて考える必要があります。
また、重症化や後遺症の防止に、ワクチンはリスクを上回るメリットがあるでしょう。
【 新型コロナウィルス感染症を発症 】
発熱など症状がある場合は検査キットでの確認が役立つ
(県の無料配布は1~2日後になるため、数回分は備蓄しておきたい)
キットで陽性になったら、下記連絡先に連絡し、その指示に従う
陽性者登録・フォローアップセンター
(新潟県内全域 24時間対応 0120-935-969 )
1)とにかく休養、そしてたんぱく質を中心とした栄養補給
2)療養中の体調チェック
(体温、頭や身体の痛み、くしゃみ、鼻水、咳、倦怠感・疲労感、
血中酸素飽和度、その他の違和感など)
3)後遺症を防ぐためにも、症状をできるだけ積極的に抑えることが重要
解熱鎮痛薬(カロナール、ロキソニン等)や鎮咳去痰薬などの対症療法が
不十分な場合は、
エビデンスが揃ってきた漢方薬もおススメ
漢方薬は、初期には解表剤や清熱剤や和解剤を、
遷延期には和解剤や温裏剤や補気剤を
体質・症状に合わせて選択することが最重要
※ 流行期、軽症者は自宅療養とされるが、後遺症防止の観点からも
積極的に薬の服用を!
※ 病院・クリニックで受診できない場合は、薬局の利用も検討
4)以下のような緊急性の高い症状がみられる場合は、すぐに119番して、
救急車を呼ぶこと
その場合、「コロナ感染で、自宅療養している」ことを必ず伝える
(1) 顔色が明らかに悪い、唇が紫色になっている
(2) いつもと違う、様子がおかしい
(3) 息が荒くなった(呼吸数が多くなった)、急に息苦しくなった
(4) 日常生活の中で少し動くと息があがる
(5) 胸の痛みがある
(6) 横になれない、座らないと息ができない
(7) 肩で息をしている・ゼーゼーしている
(8) 脈がとぶ、脈のリズムが乱れる感じがする
(9) ぼんやりしている(反応が弱い)、もうろうとしている(返事がない)
【 新型コロナウィルス感染者が家族にいる場合 】
1)自室以外ではマスク着用(不織布マスクを使用する)、
場合によりフェイスシールドも着用する
2)頻回の手洗い(一つの作業ごとに行うのが基本)
3)定期的な換気(1時間に1~2回、1回5分程度)
4)手が触れる共用部分(ドアノブ・蛇口・スィッチなど)の
消毒(アルコールもしくは中性洗剤)
5)行動する範囲を分ける(トイレ・寝室・食事など)
6)行動する時間を分ける(入浴・食事など)
7)体調のチェック(発熱、頭や身体の痛み、くしゃみ、鼻水、
咳、倦怠感・疲労感、その他の違和感など)
8)洗濯は通常通りで構わないが、感染者の衣服を扱う場合は、
使い捨て手袋や確実な手洗いを実施
9)感染性のゴミなどはポリ袋に入れて燃えるゴミとして処理する
10)ペット(ネコ)にも感染するので、ペットとの接触も控える
【 新型コロナウィルス感染後遺症( Long COVID / ロングコロナ )】
報告によると感染者の約10~50%で確認される後遺症の発症は
重症度との関連はみられません。
軽症でも、後遺症は高い確率で発生しているということに注意が必要です。
したがって、症状を早期から積極的に抑えることが後遺症の軽減に重要と考えます。
5%以上の頻度の高い後遺症は、
倦怠感(24%)、記憶障害(10%)、頭痛(7.5%)、動悸(7.5%)、
呼吸困難(5%)、不安(5%)、やる気が出ない(5%)、めまい(5%)、
と報告されている。
他にも、
咳(3.8%)、味覚障害(3.8%)、脱毛(3.6%)、胸痛(2.5%)、
気分の落ち込み(2.5%)、睡眠障害(2.5%)、嗅覚障害(2.5%)、
関節痛(2.5%)、下痢(2.5%)、微熱(1.2%)、筋肉痛(1.2%)、
手足のしびれ(1.2%)、咽頭痛(1.2%)、嘔気(1.2%)、などと続く。
(聖マリアンナ医科大学の調査)
ただ、当薬局での相談者には、持続する微熱や咽頭痛が多い印象(2023年1月)。
いずれにしても、ブレインフォグ(記憶障害や集中力低下など脳の機能低下)や
倦怠感は、脳での炎症を示唆しており、筋痛性脳脊髄炎(ME/CFS 線維筋痛症/
慢性疲労症候群)とも重なってきます。
このため、漢方薬と心身医学的療法を組み合わせることが現実的には
よりベターな選択肢と考えます。
漢方薬は、補気剤や温裏剤をベースに駆瘀血剤や理気剤や利水剤を
体質・症状により適宜選択し組み合わせることになります。
心身医学的療法とは、不安や焦りなどを緩和するような支持的アプローチを
中心に、マインドフルネスや自律訓練法などで身体症状と向き合い、
徐々に認知面や行動面に働きかける認知行動療法など、段階的なアプローチが
有効でしょう。
運動療法は、質および量に注意が必要なので、調子をモニタリングしながら
慎重に進めます。
特に「オーバートレーニング」にならないよう気をつけてください。
参考:
〇新型コロナウイルス感染症の長期合併症の実態把握と病態生理解明に向けた
基盤研究(2022年6月)
〇大阪大学大学院感染制御医学講座が大阪府豊中市で行った調査(2022年12月14日)
〇聖マリアンナ医科大学コロナ感染後外来(2022年)
感染者・濃厚接触者の行動制限一覧