雪国の宿命と言えばそうなのですが、連日の除雪作業ご苦労様です。交通が
麻痺するほどの大量の降雪に疲労もピークに達しているのではないでしょうか。
疲労は、ドリンク剤やビタミン剤では取れませんので、しっかり栄養と睡眠を
とるようにしましょう。
では本題に。不登校の原因として何らかの心理的ストレスを思い浮かべる
人は多いのではないでしょうか。私もそのように考えてきたのですが、最近の
相談は心理的ストレスがハッキリしない???な不登校が増えているとの印象
を持っています。(心の相談・自律神経失調症のページも参照ください)
代わって増えてきたのが、自律神経失調症タイプ(私の勝手な分類ですが)
ではないでしょうか。不登校を敢えて乱暴にタイプ分けすると、従来型の
心身症タイプと自律神経失調症タイプに分類できると思っています。
従来型の心身症タイプであれば、ストレス源を探して対処するスキルを
身に着けたり、家族関係に変化をつけるような家族療法を行ったり、他の
身体症状を漢方薬で改善するなどの方法をとります。
ところが数年前からストレス源がハッキリしないにもかかわらず、登校
できない相談が増えてきました。振り返ってみると、生活リズムの乱れに
より、朝起きれない、起きても元気がない、頭痛や微熱などの身体症状が
ある、などのパターンが見えてきました。
もちろん、他にも分類されるタイプがあるでしょうし、7:3の割合で
自律神経失調症タイプが優勢のように、グラデーションがあります。
だから「敢えて乱暴な分け方」と断ったわけです。
「自律神経失調症タイプ」という命名に違和感を持つかもしれませんが、
「いわゆる自律神経失調症」は、身体症状症と生活リズム障害および適応
反応の3タイプに分類できると考えており、「(真の)自律神経失調症」
の本態は生活リズム障害と適応反応の2タイプではないでしょうか。
そして、最近増えている不登校は、自律神経失調症タイプの生活リズム
障害だとの結論(仮説)に至りました。私は医師ではないので診断は
できませんが、そのように考えると矛盾なく説明できると思っています。
そこで改善策となるのは、生活リズムの修正ということになります。
「規則的な生活」と一言で言ってしまえば簡単ですが、体調を調えながら
となると一定の期間を必要とします。例えば7時に起きなければならない
のに、普段は10時に起きるような生活パターンであれば、その修正には
最低でも3か月かかると見ています。
崩れた生活リズムを取り戻すキーワードは、体内時計です。体内時計が
現実の生活とは異なる時間を刻んでいるために、理由がハッキリしない
のに朝起きれず不登校になっていると推測しているのです。体内時計は
強力なので、体内時計が夜ならば起きて活動するのは難しいでしょう。
気合や根性で修正できるものでもありませんので、咤激励は家族関係を
壊すかもしれません。時間生物学と心身医学に詳しい専門家にアドバイス
してもらうのが、確実な方法だと今現在の私は考えています。
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薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師) 廣橋 義和
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