ガンに対する漢方薬、心理支援、その他

 立春を過ぎたとはいえ、まだ2月。寒波が来れば一気に冬模様です。
冬から春へと、気分の上でも季節は移ろい始めていたのに・・・。
でも、きっと、もう少しの辛抱ですね。数か月もすれば「暑い!」と言い
ながら汗を流していることでしょう。だから、もう少しの辛抱です。

 さて、漢方相談をしていると、○○ガン、△△がん、□□癌、などに効く
漢方薬が欲しいと言われることがあります。もちろん、ガンに直接効果が
あるような漢方薬はほとんどないのですが、体調を調えることが結果的に
癌治療(手術・抗がん剤治療・放射線治療など)をスムーズにし、生存率
や再発防止など間接的に効果を上げているのは多くの報告で示されています。

 一言で体調と言っても、食欲や倦怠感、意欲や元気、いろいろな自律神経
症状、痛みや不眠などの身体症状など多々あり、他人からすれば取るに
足らないようなことでも、本人にとっては寿命に影響を及ぼす重要な因子だ
と言えます。そこを漢方薬は調整するわけです。

 例えば、がん治療に革命を起こした「がん免疫療法」も、効く割合は2割
とされます。明暗を分けた因子の一つに便秘がありました。京都府立医大の
報告によると、免疫チェックポイント阻害薬による癌の抑制効果は、便秘が
ある人で2割、便秘がない人は約8割だったといいます。

 たかが便秘でも、これだけの差が出るとすれば、それ以外の体調も上手く
調整できれば、いろんな意味で治療効果に違いが現れると思われます。
癌という病気の受け止め方によっても違いが出るとの報告もあり、サイコ
オンコロジー(精神腫瘍免疫学)という分野で盛んに研究されています。

 身体的な不調を漢方薬で調え、心理的な不安定さはカウンセリングや
心理療法などで安定させるというのが、ベースになると考えます。
その上で、必要なら、栄養剤やサプリメントなどを補助的に組み合わせる
という方法を、私は提案しています。

 がん治療においては、体力も重要な資源です。悪液質は体力低下を進め、
がん治療を難しくします。その悪液質対策では「炎症」がキーワードで、
「抗炎症」が寿命を延ばすこともわかっています。

 また、がんサバイバーは血栓が生じやすいことも知られており、血栓対策も
重要だとされ、近年は循環器科医師もがん治療に参画するようになっているの
です。

 これらの新しい知見・情報を交えて、漢方薬がいいのか、炎症対策をどう
するのか、血栓対策は? 家族も含めた心理サポートをどのようにするのか、
それらの重要度・優先順位を相談しながら進めるようになります。

 おそらく、漢方薬を出して、何かのサプリメントをプラスするのが楽で
利益も出るのでしょうが、どうも気が進まないのです。時間もかかって、
効率が悪いのは重々承知で、自分自身の納得できる相談を提供しています。

 まだ、不充分な内容ですが、「がんと悪性腫瘍」の項目も参考にしてみて
ください。今後も情報を追加訂正していきますので、時々チェック頂けると
嬉しいです。



  漢方薬と東洋医学の相談、心療内科と心の相談、丁寧な説明
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  薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和
 
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