漢方薬はセルフに向かないのでは?

 ひろはし薬局として、LINE公式アカウントを公開してから
ちょっと気になっていることがあります。

 ときどき漢方薬について質問を受けるのですが、頻度の高い
質問に「漢方薬Aと漢方薬Bを使っているけど、いいですか?」
というものがあります。

 一度も会ったことのない人から、病名だけで適切な漢方薬か
どうかを質問されても、正確に答える自信はありません。
だから「入手したところで詳しく説明を受けてください」としか
返答できないのです。これは、漢方薬が体質を重視する性質上、
致し方ないと理解していただいています。

 ただ、漢方的に、東洋医学の考え方からして、「???」な
組み合わせをしているケースが非常に多いと感じています。
一般の人がドラッグストアで購入する現状では、容易に想像でき
ますが、時には医師や薬剤師が関与しているケースもあります。
それだけ、漢方相談は専門性が高いといえるでしょう。

 漢方を専門にしている医師・薬剤師には、「漢方薬は方向性を
持っている」という当たり前の事実があります。例えば、身体を
温めたり冷やしたりという方向性や、乾かしたり潤したりという
方向性です。

 では、身体を温める漢方薬Aと身体を冷やす漢方薬Bを同時に
使用するとどうなるでしょうか?温める作用は冷やす作用で打ち
消され、効果は期待できないでしょう。そればかりか、薬として
の漢方薬には、副作用が出るリスクもあります。

 実は、このような内容の質問がLINEに寄せられています。
それも、意外に多いのです。
セルフメディケーションの考え方は大切にすべきと考えます。
しかし、高い専門性を必要とされる分野は、専門家に相談する
ほうが、結果として安くて安全に使用できるのではないかと
思っています。



  漢方薬と東洋医学の相談、心療内科と心の相談、丁寧な説明
 長岡の相談薬局・ひろはし薬局  TEL (0258)37-7551
     薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和

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