酒と肴と尿酸値、そして痛風発作

 台風1号の影響でしょうか、少し肌寒い昨日今日です。
でも、既に夏日を記録してますし、暑くなる予報ですので、
熱中症に注意しながら、今年も夏を乗り切りましょう。

 そして、暑い夏にはビール系飲料が美味しくなります。
尿酸値を気にする方は、ビールの代わりに焼酎などを選択
しています。涙ぐましい努力です。

 血清尿酸値の基準は7.0mg/dL以下です。これ以上に
なると血液中の尿酸は一部が結晶化して身体の組織を傷つけ
ます。これが関節で起これば「痛風発作」として激しく痛む
ことになります。

 「発作の痛みはイヤだがアルコールは飲みたい」
だからビールを別のアルコールに代えて飲むのは、呑兵衛の
智恵です。確かにビール大瓶1本のプリン体は約30mg、
日本酒1合のプリン体は約2mg、焼酎なら0.2mgです。

 しかし、酒の種類よりもアルコールそのものの影響の方が
大きいようです。「どうせ飲むならビールより焼酎がいい」
くらいで、何を飲んでもアルコールはアルコール、尿酸値を
上げることに変わりはありません。

 さらに、アルコールには酒の肴が基本的にはセットです。
気をつけなければならないのは、むしろ肴の方で100g
中のプリン体は、レバー類や魚の白子で300mg以上、
赤身の魚は200~300mg、肉類は100~200mg、
と、アルコール類の比ではありません。

 ただ、チーズなどの乳製品はリスクを下げることが知られて
います。また、アスパラガスなど野菜類のプリン体は動物由来
のプリン体と比べ、尿酸値をあまり上げないとのことです。
肴の選び方で明日の尿酸値が大きく変わりますね。

 そんなこんなで、血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超過
すると、痛風発作の確率が上がります。因みに9.0mg/dL
以上だと1年以内に痛風発作を発症する確率は約5%です。
(Campion EW, et al. Am J Med. 1987;82:421-426.)

 痛風発作のリスク因子として、アルコールや食事以外では、
肥満、高血圧、高コレステロール血症、などがあります。
どのリスク因子も生活習慣と密接に結びついていることが
わかります。気になる方は、取り組みやすいところから
始めたらいかがでしょうか。

 最後に、今まで何人かの人の痛風発作の相談を受けました。
日頃の尿酸値の管理は受診してコントロールするべきですが、
やむを得ず漢方薬を出したことがあります。鎮痛目的で一時
しのぎですが、どのケースもよく効いたと言われました。
あくまで緊急的な対応ですけれど、漢方薬の効果を実感した
次第です。


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