口は食べ物が一番最初に入る器官なので、食べ物の硬さや
凸凹、熱さや冷たさなどの刺激を、真っ先に直接受け止める
ことになります。
ですから、口内炎や舌炎があると、飲食に伴い痛みが出たり
沁みたりします。
一時的な体調の悪化が原因となることが多く、この場合は
放っておいても1~2週間で通常は回復します。
この1~2週間というのがポイントで、2週間経ても改善
しない口内炎や舌炎は、何か長引く原因があると考えて、
詳しい検査を行うことを考慮します。
例えば、膠原病の一種ベーチェット病であったり、口内に
できるガンや前がん状態の可能性も出てきます。
あるいは貧血、糖尿病、金属アレルギー、なども原因と
なります。
ですから、大抵は1~2週間で回復するものということを
頭に入れておけば、悪化するまで放置するということは避け
られると考えます。
原因として多いのは、疲労や睡眠不足などの生活習慣などで
あったり、食欲不振や偏食などによる栄養不足がほとんどです。
これらにより口腔粘膜の血流低下や栄養不良を生じ、飲食物の
刺激や微生物の攻撃に耐えられず発症するイメージです。
ですから、まずは、生活習慣や食事を見直すことが重要で、
そこを改善しないと、治るものも治りにくい状態となったり、
再発しやすくなったりします。
しかし、多くの場合、そんなことを意識しなくても通常は
1~2週間で改善するのが一般的ですけど。
ただ、その回復を早めるために、あるいは再発を防止するために
ビタミンを補給したりします。
ちなみに、口内炎用にステロイド含有の塗り薬や貼り薬が
用いられますが、痛みの緩和に役立っても回復が早まることは
ほとんどありません。
ビタミン類は、主にB群(特にB2とB6)が用いられます。
これで回復しにくい場合には、ミネラルの補給を私は考えます。
薬局においては、ビタミンとミネラルの補給で7~8割の相談は
対処できる印象です。
残りの2~3割は、漢方薬を使ったりしますが、その前に
治りにくい別の病気などを疑って専門医に紹介したりします。
舌炎の一部は『舌痛症』として、心理療法が必要になることも
あります。心身両面からの働きかけが必要で、医療者の総合力が
試される病気でもあります。
このようなとき、東洋医学と心身医学を学んできて良かったと
感じます。
漢方薬と東洋医学の相談、心療内科領域の心の相談、丁寧な説明
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薬剤師・公認心理師・スクールカウンセラー 廣橋 義和
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