不整脈とストレス

 「ストレスを減らせ」と簡単にいうけれど、それができれば苦労はしないと
ほとんどの人は思っているのではないでしょうか? ストレスは多くの心身の
不調に関係しているからこそ、医療者はそのように言うのですが、言いっ放し
で具体的な解消法を示さないのは無責任でないかと私は思うのです。

 「ストレス」には、ストレスの原因(ストレッサー)とストレッサーに
対して心身が示すストレス反応という二つの意味があります。これらが混乱して
使用されているため、「ストレス(ストレス反応)を減らしましょう」に対して
「ストレス(ストレッサー)なんて減らせない」という対立する感情的抵抗が
生まれています。

 そして、一般的にストレスは悪いものととらえられていますが、良いストレス
もあるのです。循環器分野では「心臓リハビリテーション」へ注目が集まって
きているように、良いストレス負荷をかけてあげると心臓の良い状態をキープ
できることがわかっています。

 反対に悪いストレス反応(いわゆるストレス)は、心臓に大きな負担をかけ
狭心症や不整脈の原因になります。悪いストレス反応により、血圧が上がり、
心拍数は増えます。心臓は文句も言わず休みなく頑張っているわけです。
一方、良いストレスでは心臓に軽い負担がかかり、悲鳴をあげることなく笑顔
(たぶん)でトレーニングを楽しみますし、メリハリがあります。

 「その悪いストレス反応を減らすためにタバコ・アルコールで発散している」
との声も聞こえてきますが、タバコは逆にストレス反応を増加することが報告
されていますし、アルコールも心房細動という不整脈の原因として有名です。

 悪いストレス反応を減らすには、リラクゼーションを取り入れることです。
深呼吸が有効なこともありますし、ヨガをしても良いでしょう。リフレッシュ
の温泉旅行も良いですが、血圧の変動に注意しましょう。私が指導できるのは
自律訓練法やマインドフルネス、漸進的筋弛緩法などの心身医学的アプローチ
が中心になります。

 心臓の負担を減らすために漢方薬を使うこともあります。以前、呼吸器症状
のある方に漢方薬を出したら、心臓の具合も良くなったと喜ばれたことがあり
ます。その漢方薬には、心不全症状を改善する漢方薬が含まれ、心臓の負担が
減ったのでしょう。

 不整脈は、加齢や生活習慣病の増加とともに発症リスクが高まります。加齢
は防ぎようがありませんが、生活習慣病対策は長期的に不整脈予防につながり
ます。特に、高血圧予防として減塩および減量の効果は高いので、できそうな
部分から取り組んでみてはいかがでしょうか。


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