一般的に「膀胱炎」と言えば、細菌性膀胱炎を指します。細菌性ですから、
通常は抗生物質の使用で数日もあれば回復します。繰り返しやすい人の場合は
その背景の問題を探り、抗生物質以外の選択肢も取り入れる方がいいと考えて
います。今までの経験では、圧倒的に「冷え」が多いです。
一方、細菌が関与しない「間質性膀胱炎」という病気もあります。治療法は
未だ一定せず、試行錯誤が繰り返されてますので、少しでも良い治療を求めて
病医院を移り渡ったりすることから、心因性膀胱炎とされることもあるよう
です。
もしかしたら、過活動膀胱の一症状に過ぎないのではとの仮説もあります。
ただ、私が相談を受けた人は過活動膀胱の治療薬で症状が悪化しました。
これを以って断定はできませんが、過活動膀胱ではなく独立した疾患として
扱いたいと思います。
間質性膀胱炎は、複数の要因が悪循環を形成して、慢性化・難治化して
いるのでしょう。タイプ2炎症パターンが優位になっているとの仮説や膀胱
粘膜において神経過敏状態となり脊髄神経路を巻き込んで慢性疼痛回路を
形成するという仮説などもあります。
それらを考慮すると、タイプ2炎症に対し漢方薬を用い、慢性疼痛回路に
対しては心理療法を組み合わせるというハイブリッド戦略が有効かもしれ
ません。
いずれにせよ、間質性膀胱炎は膀胱痛症候群と言い換えることができ、
タイプ2炎症を背景に、時間の経過とともに慢性疼痛の要素が強くなる
疾患だと認識する必要があります。
そうすると、最終的なゴールは間質性膀胱炎の完治だとしても、まずは
症状を軽減し日常活動を少しずつ取り戻すことが当面の目標になります。
慢性疼痛に対して有効性が確認されているマインドフルネスも組み入れ、
排尿痛などは漢方薬で緩和しながら、神経過敏状態および慢性疼痛回路の
解消を図るのがベストと考えます。
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薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師) 廣橋 義和
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