過敏性腸症候群は、比較的に漢方薬と相性がよいという印象が
あります。下痢型、便秘型、混合型などのタイプがありますが、
どのタイプでもよく効いてくれます。
そして、ある程度落ち着いてきたら、食事やストレス対策に
ポイントを移し、漢方薬を減らしながら再発防止や予防を図る
ようにしています。
近年は、腸脳相関やプロバイオティクス・プレバイオティクス、
脳科学などの研究報告も多く、新たな視点が日々届けられている
状態です。
私の印象では、過敏性腸症候群になりやすい人は、繊細で
周囲の人に配慮し過ぎる傾向があります。過剰適応とも表現
されるように、不安にしても必要以上に心配する傾向が強く
あります。
この不安は、過敏性腸症候群の症状の腹痛や膨満感という
感覚に関係する島皮質(脳の部位の名称)を活性化させ、
腹痛などの症状に敏感に反応しやすくなります。
この悪循環が繰り返されるのが過敏性腸症候群の人たちに
起きていることです。
また、過敏性腸症候群の人たちは腸内の酪酸産生菌が少ない
ことがわかっていて、その結果として基底核(脳部位の一つ)
のドパミン経路に不具合が生じ、先ほどの島皮質の活性化に
つながるというメカニズムもあります。
先日参加してきた日本催眠医学心理学会で九州大学の伊津野
先生が「痛みの破局的思考と脳画像」というタイトルで講演
されました。その中で「催眠暗示で島皮質の活性化が低下」と
話され、過敏性腸症候群の治療ガイドラインに催眠療法が
挙げられていることに結びつきました。
過敏性腸症候群は、基本的には消化器内科の病気です。
ですが、脳と腸のネットワークを考えると、脳への何らかの
アプローチも必要ですし有効でしょう。催眠でなくても、
自律訓練法やマインドフルネスでもいいし、認知行動療法も
使えます。
また、腸内に酪酸産生菌を増やすプロバイオティクスや
プレバイオティクスも重要です。整腸薬を選ぶ時は「酪酸」を
意識して選ぶと良いでしょう。
このように見ると、過敏性腸症候群はいろいろな治療選択肢が
揃っている病気と言えます。漢方薬もありますし、発酵食品や
整腸薬といったプロバイオティクス・プレバイオティクスも
あります。有効な心理療法も多数ある中から選ぶことができます。
どれを選ぶか、誰につながるか、あなたの選択肢は?
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薬剤師・公認心理師・スクールカウンセラー 廣橋 義和
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