健康度を高めて病気予防を

 

 穏やかな元日で令和2年を迎えました。雪が少なくのはいいのですが、
夏に猛暑となるのが心配です。ともかく、本年もよろしくお願いします。

 さて我が国の医療財政延命に向けて、病気予防の重要性が言われています。
一般的な疾病原因論の立場からは、病気のリスク因子を減らすことが重要と
されています。が、健康生成論という別の視点もあります。

 大雑把に概説すれば、健康生成論とは病気のリスクを持っているのに病気に
ならない理由を探り、それを大きくすることで病気を予防しようとする考え方
です。例えば、タバコを吸っていながらも病気知らずなのは何故?と。

 その因子を、立命館産業社会論集にある桝本妙子のレポートより紹介します。
桝本は、健康生成論の中核概念であるSense of Coherence(SOC:調和の
感覚)を高める因子を調べています。つまり、SOCが高い人ほど健康度が
高いと言えます。

 結論を先に言えば、桝本はSOCを高める要因として、健康への満足感、
生活への満足感、年齢、世帯年収、の4つを挙げています。

 健康への満足感とは、現在病気であっても病気を素直に受け入れることで、
病気がなくても自身の身体症状を気にし過ぎれば満足感は低いとされます。

 生活への満足感は、心理的・社会的な満足感でコミュニケーションなどに
大きく左右される要因と言えます。年収などにも影響を受ける部分です。

 年齢では若い世代ほどSOCが高いし、世帯年収は高収入の方が高いと
いうのも当然のことでしょう。ただ、世帯年収で言えば、あまり高過ぎても
SOCは下がりますので、強欲は慎まねばならないということでしょう。
また低い年収は健康的な生活から離れた生活になりやすいですし健康に対して
投資できないということもあります。

 病気の予防をリスクを減らすという視点ではなく、健康度を高めるという
視点で考える機会になればと思いますし、当薬局では健康生成論の立場を
中心に提案をして行きたいと考えています。

 皆さんにとって、良い年でありますように!
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 長岡の相談薬局・ひろはし薬局
  薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和
 
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