コロナ感染した時、体内では何が起きていたか?

 不覚にも、先週前半は私がコロナ感染したため、緊急に臨時
休業をしてしまいました。ワクチンは5回済んでいたとはいえ、
もはや効果は限定的だったのでしょう。でも、順調に回復し
後遺症の心配も今のところないのは幸いです。

 ところで、完璧ではないものの要所要所でマスクや手洗いを
していたため、感染経路は全く思い当たりません。それだけ、
いつ、誰が感染しても不思議ではないのでしょう。それが
現状なのだと思います。

 異変は咽の痛みで始まりました。なんとなく違和感を感じては
いたものの、「一過性のものだろう」と軽くみていました。
時々、葛根湯や葛根湯加桔梗石膏を飲みながら仕事を普通に
こなしていました。

 この時は既に咽頭部あたりに新型コロナウィルスは感染して
増殖を始めていたのでしょう。ウィルス感染に対し、私の身体は
インターフェロンαやβを出して、ウィルス増殖を妨害していた
はずです。ただ、漢方薬を飲むにしても真面目とは言えない
飲み方でしたし、安静などせずに普通に仕事をしていたので
ウィルス増殖に傾いてしまいました。

 2日目は強い咽の痛みがあり、重度の咽頭炎といえる症状
でした。咽頭部の細胞の傷害が大きかったということを
示しています。それでも私の身体も無抵抗だったわけではなく
インターフェロンでウィルスを攻撃しつつ、マクロファージ
などからTNFαやIL12を出して、1型ヘルパーT細胞や
ナチュラルキラー細胞に働きかけています。

 38℃台という高熱や強い倦怠感は、インターフェロンや
TNFαなどの影響です。順調に免疫反応を強化している
段階の正常な反応とみて良いのですが、食欲も低下しており
免疫系を動かすエネルギーは私の体脂肪が中心でした。

 3日目も2日目と同じような症状でしたが、ナチュラル
キラー細胞が活躍しているのでしょう。咽の痛みは最高に
達しましたし、発熱も40℃まで上がりました。さすがに
体力低下を抑えるために、カロナールを使用しましたが
免疫系に頑張ってもらうために、5日間で3回だけの
使用で済ませています。

 治療のメインを漢方薬としたのは、私の免疫系をスムーズに
働かせるためです。咽痛のピークを越えたものの咽頭部に
へばりつく痰と倦怠感をターゲットに柴胡桂枝乾姜湯加
桔梗石膏を飲みました。

 3日目ですから1型ヘルパーT細胞の働きで、キラーT細胞
や活性化マクロファージがウィルス感染した細胞を強力に
破壊し始めています。私の場合は、咽頭部の細胞が破壊され
咳や痰が残ることになるのは覚悟しなくてはなりません。

 でも、そのおかげで4日目以降は身体が楽になっている
ことを、文字通り体感できました。この頃には、メール会員の
方にお知らせすることも可能でしたが、脳はエネルギー消費の
激しい臓器ですから、身体だけでなく脳も安静にする方が
ベストと判断しています。

 恐らく、回復期に入ると少しずつ身体や脳を使いたい
衝動が誰しも湧いてくることでしょう。無理しなくては
生活が成り立たない人もいるでしょうが、ウィルス感染と
闘い、免疫系を動かしたことで、体力はかなり低下している
ものです。

 特に、新型コロナウィルスは呼吸器系だけでなく、循環器系や
脳神経系との親和性が高いウィルスです。約3割にものぼる
後遺症発症率を考えると、回復期の過ごし方はとても重要かと
思います。私の場合は、回復後5日~7日くらいまで、通常の
5割~8割程度に抑えながら身体をチェックしていました。

 オミクロン株に対して、ベテランの漢方医たちは柴葛解肌湯を
中心に治療して効果を上げていました。私が飲んだ漢方薬も
処方内容は柴葛解肌湯に近いものです。
早めに安静にして、きちんと漢方薬を飲んでいたら症状ももっと
軽く済んでいたかもしれません。「たら」「れば」の話に正解は
ありませんが、養生は軽く見ない方が良いと考えます。

 皆さんも、どうぞ気をつけてお過ごしください。



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 薬剤師・公認心理師・スクールカウンセラー  廣橋 義和

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