女性のうつ病と漢方薬

 どこの記事だったかハッキリ覚えてませんが、今、9月までは夏で
秋は10月のみ、11月からは冬だとか。確かに昨今の気象から受ける
印象はその通りですね。

 これからの秋は、詩的な表現なら感傷的になる季節です。冬なら
「冬期うつ病」という言葉もあります。
そこで、今回は「女性のうつ病」について。

 女性は男性よりも、うつ病になりやすいことが知られています。
その理由としてエストロゲン(女性ホルモン)の影響が考えられて
います。
(杉山暢宏,ほか.うつ病の性差について.信州医誌.2018.)

 杉山によれば、閉経前の女性はエストロゲンの影響で視床下部や
扁桃体が刺激され不安や恐怖からうつ病を発症し、閉経後はエスト
ロゲンが減少するため脳内でセロトニンが合成されないために
うつ病を発症するそうです。

 専門的な話になりますが、エストロゲン受容体にαとβの2種類
あり、どの臓器の受容体に結合するかで作用が決まります。
閉経前はうつ病を発症する方にも予防する方にも働くエストロゲン
ですので、それ以外の要因でうつ病になるかならないかが決定
されます。

 ところで、このような両面性を持っているのが漢方薬には多く
あります。実際に実験でエストロゲン様作用を持つ生薬も確認
されています。

 通常、うつ病の治療には抗うつ薬を用いますが、抗うつ薬で
充分な効果が上がらないタイプのうつ病もあり、その方が女性
であれば、エストロゲンの代わりとしての漢方薬によるうつ病
治療も考えられるわけです。

 そして、閉経前のうつ病は、エストロゲン以外の要因がある
わけですので、例えば認知行動療法をはじめ各種の心理療法も
選択肢の一つとして上がるでしょう。

 いずれにせよ、治療の選択肢が増えるのはいいことですし、
できるだけ安全性の高い治療法であれば更に結構なことです。
女性の方で、治りにくいうつ病で悩んでいるなら、一度考慮
してみてはいかがでしょうか。


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