セルフメディケーションで損をする人

 高齢化社会は医療費の増大を伴います。だから厚労省は、
日本の保険制度を維持するためにセルフメディケーションを
推進しています。(規制緩和の圧力も加わっていますが)

 セルフメディケーションによって医療費の増大がどの程度
軽減できるか私にはわかりません。ただコストだけでなく
医療を資源とみた場合、医師などの労働環境は間違いなく
改善に向かうと思います。

 例えば、市長選などがあると必ずと言えるほど「小児の
医療費を無料にする」という公約が出ます。当選すれば
無料になり、小児科医は多忙を極め、ついには疲弊して
倒れるなど、小児医療の破綻の原因になっています。

 小児科を例にしましたが、似たようなことは他の科でも
起きています。本当に必要な時に医療を受けるために、
「軽い段階では自分の判断で薬などを使用してください」
とセルフメディケーションに期待しているわけです。

 ところで、何でもかんでも自分自身で判断するのが
セルフメディケーションなのでしょうか?一般住民の
医療知識は確かに向上しています。医療情報へのアクセスも
容易になりました。

 その一方で、膨大な医療情報の中から妥当な情報を選べる
人は何割くらいいるのでしょう。情報の中には、残念ながら
悪意に満ちた情報もあります。以前は正しくても現在の医療では
間違っている情報も混じっています。

 適切な情報が得られなければ、その情報に基づいたセルフ
メディケーションは、不適切ということになります。費やした
お金だけでなく、時間(日、月、年)も無駄となり、元の
病気が悪化でもすれば、医療にも大きな負担をかけます。

 だから、セルフメディケーションで損をしないためにも、
セルフチェックで違和感や不安を感じたら、身近な医療者に
意見を求めるのがベターあるいはベストと考えています。
たぶん、この身近な医療者が「かかりつけ○○」と呼べる
専門家なのでしょう。

 その上で、どのような選択肢から何を選択するかは情報を
吟味して決定していくという流れが、大切なことだと思います。
これは近年の協働意思決定(SDM)の動きも見据えた中で
私が考えていることです。

 先日行ったセミナーのテーマは「健康生成論」でした。
同年代と比べ、どうしたら若く健康でいられるのか? を
考え、実践するものです。

 このときに、あれもこれも良いでは、お金が底をつく
でしょうし、無駄も生じます。限られた予算の中から、
その人の体質やリスクを考慮し、効率よい健康法を提案
するのが、プロとしての私らの仕事だと考えています。

 セルフと専門医療との間を橋渡しするのが、かかりつけ
○○との協働作業であり、体質やリスクを考慮するとなれば
1~3か月くらいの間隔で定期的にチェックするのが良い
と考えます。

 背景が理解できていればこそ、セルフメディケーションで
大丈夫なのか、受診すべきなのか、などの適切なアドバイスも
行えます。結果的に、時間とお金と医療資源を一番効率よく
運用できるのではないでしょうか。



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