夏は血管が詰まりやすい

 今年は既に40度近い気温を計測している地域があり、
異常な高温ではなく、高温が当たり前の夏を私たちは
生活していくことになるようです。

 当然、「熱中症に気をつけよう」となりますが、
少し視点を変えてみます。もちろん熱中症対策は重要
ですよ。

 「脳卒中」というと冬に多いイメージがあるかと思い
ます。
確かに脳出血(くも膜下出血や脳動脈瘤破裂)などは、
夏よりも冬に発症しやすいのですが、脳梗塞(脳の血管が
詰まるタイプ)は季節を問わず夏でも冬でも発生に差は
ありません。

 夏の脳梗塞には、脱水が大きく関係します。夏は室内に
いても、意外と多量に汗をかいています。そのことは、
トイレに行く回数で実感できるはずです。高齢者の熱中症が
屋内でも多く発症するのは、このような理由によるのです。

 脱水は体重測定でチェックすることもできますが、私は
爪を圧迫して離した後の色の変化(白からピンク)を紹介
しています。概ね2秒以内に戻れば正常、それ以上の場合は
脱水状態を疑います。

 俗っぽい表現ですけれど、脱水により血液サラサラ状態
から血液ドロドロ状態になるわけです。血管が細かったり
動脈硬化が進んでいる場所では、詰まりやすくなります。
熱中症の一部の症状は、これで説明がつきます。

 番組名は忘れましたが、NHKで放送された内容によると
脳梗塞を発症しやすい時間は睡眠中が圧倒的に多いという
結果でした。私が血管や血液に働く医薬品を就寝前に服用
してもらう理由は、この魔の時間を無事に乗り越えてもらう
ためなのです。

 特に、アルコール摂取後の睡眠には要注意です。
アルコール摂取により脱水が進むので、暑気払いした晩に
脳梗塞を発症するリスクは上がるのです。ご用心を!

 「詰まる」というテーマのつまらない内容でした。
どうか、詰まらせないよう健康管理に注意してください。


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次回セミナーは「不安」を取り上げます

 第23回セミナー開催のお知らせです。
早いもので今年も半分が終わろうとしています。今年3回目の
テーマは「不安」にしました。

 病的であろうとなかろうと、私たちが生活すれば、何らかの
不安は生ずるものです。
進化の過程からみても、不安を獲得した生物が生き残って
きているので、必要悪のような感情ですね。

 ただ、それが過剰に反応すると、いろいろな悩みとして
生活に悪影響を及ぼしてきます。
そこで、「不安との向き合い方」をテーマにしました。
詳細は、以下に。

テーマ : 不安との向き合い方

内容 : 不安とパニックは、なぜ起きる?
     不安症の分類
     不安症に対する治療
     不安を落ち着けるいくつかのアプローチ体験 など

日時 : ①7月16日(火)18:30~
     ②7月18日(木)13:30~
     ③7月20日(土)10:30~
     1~1.5時間程度

締切 : 7月15日(月)19時まで

定員 : それぞれ4~5名(先着順)

会場 : ひろはし薬局

参加費: 500円+(年会費500円)
     今回のみ参加の方 800円(年会費0円)

申込 : 電話 0258-37-7551 または
 メール 8hirohashi\gmail.com(\は@に変更)にて


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水害は体内でも起きます

 一部地域では梅雨入りしていますね。新潟県はまだまだの
ようですが、沖縄県では梅雨明けしたようで、小さい日本も
意外に大きく感じます。

 気候変動の影響なのでしょうか、近年は局地的な水害が
発生し、線状降水帯という用語も一般に定着したようです。
私が子どもの頃には、夕立ちをひと夏に何回も経験したもの
ですが、近年は夕立ちらしい夕立ちはほとんどありません。

 さて、話題を身体に向けます。「身体の水害」と言えば
通常は、浮腫みや腎臓病、高齢者の心不全、などを思い浮か
べることでしょう。

 ところが、漢方医学の眼で見ると、多くの病気や症状が
水分代謝の影響を受けていることがわかります。そして、
実際に水分代謝を改善する漢方薬でよく治ることが多いの
です。

 その一部を以下に挙げてみます。
頭痛、頭重感、めまい、耳鳴り、滲出性中耳炎、立ちくらみ、
起立性調節障害、乗り物酔い、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、
気象病、悪心、嘔吐、動悸、息切れ、過呼吸発作、
胃部振水音(胃がちゃぽちゃぽした感じ)、下痢傾向、
浮腫み、下半身太り、天気痛、古傷の痛み、関節痛、
朝の関節のこわばり、手足のしびれ(異常感覚・ビリビリ感)、
湿疹、じんましん、排尿異常(排尿困難・残尿感・頻尿)、
身体の重感、月経時の不調、おりものが多い、  …など

 例えば、全ての頭痛が水分代謝の悪化が原因で起きている
とは言いませんが、少なくとも薬局で相談を受ける片頭痛の
大部分は、水分代謝が大きく関係しています。

 上記の病気は、体内で起きている局所的な水害とでも表現
できます。東洋医学では、「水毒(すいどく)」「水滞
(すいたい)」などと呼んでいます。

 東洋医学的に原因がつかめれば、それに対応する漢方薬が
あります。極端な話、それが原因不明であったり、難治性で
あってもです。そのような例は多数報告されていますし、
私も多く経験しています。

 どのような状況で発症したのか、どんな状況で悪化したり
改善するのか。それが天候や湿度と関係ありそうならば、
「水滞」「水毒」という病態かもしれませんね。
是非、漢方薬を選択肢の一つとして検討してみてください。


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治ることがゴールなのだろうか

 スクールカウンセラーとして意識していることがあります。
相談された悩みを解消するよう工夫することはもちろんですが、
児童・生徒たちが将来経験するであろう苦難やストレスを
上手くやり過ごすスキルを身につけてもらうことは、もっと
大切なことだと思います。

 例えば不安を訴える人がカウンセリングなどで、不安が解消
したとしましょう。医師であれば抗不安薬を処方すると思います。
でも、その時の不安が解消しても、そのような方は何かの節に
新たな不安を抱えることが往々にしてあります。

 その都度、カウンセリングや抗不安薬で対処するのも一つ。
一般的なゴールは、このパターンかと思います。
ここで「はて?」と思うわけです。確かに、その人のその時の
問題は解消されています。

 でも、その人は本心として、目の前の不安を解消した先に、
あるであろう不安に左右されない生活、例え不安が生じても
大きく動揺しない自分自身を、そんな未来を思い描いている
のではないのかなぁと想像します。
(私の妄想かもしれませんが)

 カウンセリングにしても単なる傾聴に留まるのではなく
不安を抱えつつ上手く乗り越える自身の力の存在に気づき
自信を深めるような傾聴なら、治ることの先にあるゴ-ルに
近づいたと言えるでしょう。

 より幸せな人生を過ごしてもらうために、本当のゴールに
向かえるようなガイド役でありたいと考えています。
そのツールとして、ポジティブ心理学の視点を大いに参考に
させてもらってます。

 学校では、相談に訪れる児童・生徒や保護者には直接的な
対処法をお伝えしますが、それ以外の大多数の関係者には
心の健康貯金を殖やすようなヒントを撒いておこうと考えて
いるわけです。

 そして、身体の病気・症状も心の悩みも、必ずしも解消
できるものだけではありません。解消できなくても、上手く
共存できるような過ごし方が身についていれば、幸福度は
高くなることと思います。

 GDPや物質的豊かさと幸福度が比例しないことは、
日本人の若者への幸福度に対する調査で明らかです。
また、おそらく長寿と幸福度も比例しないことでしょう。
「幸せな人生」を過ごすために必要なものを、漢方薬や
言葉とともに提供できるような薬剤師・公認心理師で
ありたいと思っています。


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パニック障害や過呼吸と足湯

 久々に東洋医学会に参加してきました。オンラインで参加
できたコロナ禍の頃と違って、リアルで参加すると参加者の
熱気が伝わってきます。交通費や宿泊費と熱気や空気感を
天秤にかけながら、学会の参加方法を考えてみます。

 では、印象に残った内容から私なりに整理してみます。
若い女性に発症しやすい症状にパニック発作があります。
過呼吸発作を伴うことも多く、本人としては死ぬような恐怖を
感じます。

 一度、恐怖を体験すると「次に起きたら、、、」と不安を
抱き、それが次の発作を起こしやすくしたり、日常生活に
支障が出たりします。

 一般的な治療は、うつや不安に用いるSSRIと抗不安薬を
用いて症状を軽減させた後、認知行動療法などの心理療法で
再発防止に向けて日常生活への影響を小さくしてゆきます。

 とはいうものの、医師の忙しい診察現場では、薬を出して
終わりにしているケースも多く、ダラダラと薬だけを飲み
続けているのが実情です。それを改善したくて、心療内科や
漢方薬にたどり着く人も多いのです。

 東洋医学会では、心療内科学会でも仲良くさせてもらって
いる西田先生の話が参考になりました。また、明治鍼灸大学の
伊藤教授の養生法も含蓄のある内容でしたので、この辺りを
整理してみます。

 まず、SSRIや抗不安薬を使用しなくても、中程度までの
パニック発作であれば漢方薬でも十分な効果が期待できます。
そして、認知行動療法などをアレンジしてマインドフルネスや
足湯などを実践すると良いようです。

 足湯は準備が必要ですので、足にお灸するのも同じ効果が
得られるでしょう。お灸が難しければ使い捨てカイロを足に
当ててもいいと思います。足湯よりはハードルが下がったと
思います。

 西田先生は「頭寒足熱」という表現をしていましたが、
まさにその通りだと思いました。私は今まで自律訓練法と
漢方薬を組み合わせて対応してきたのですが、呼吸法や
マインドフルネスや足へのお灸(足湯も含めて)も
養生法に加えてみようと考えています。

 SSRIや抗不安薬からの卒業を考えたときに、漢方薬
以外にも選択肢があることを覚えておいてください。


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酒と肴と尿酸値、そして痛風発作

 台風1号の影響でしょうか、少し肌寒い昨日今日です。
でも、既に夏日を記録してますし、暑くなる予報ですので、
熱中症に注意しながら、今年も夏を乗り切りましょう。

 そして、暑い夏にはビール系飲料が美味しくなります。
尿酸値を気にする方は、ビールの代わりに焼酎などを選択
しています。涙ぐましい努力です。

 血清尿酸値の基準は7.0mg/dL以下です。これ以上に
なると血液中の尿酸は一部が結晶化して身体の組織を傷つけ
ます。これが関節で起これば「痛風発作」として激しく痛む
ことになります。

 「発作の痛みはイヤだがアルコールは飲みたい」
だからビールを別のアルコールに代えて飲むのは、呑兵衛の
智恵です。確かにビール大瓶1本のプリン体は約30mg、
日本酒1合のプリン体は約2mg、焼酎なら0.2mgです。

 しかし、酒の種類よりもアルコールそのものの影響の方が
大きいようです。「どうせ飲むならビールより焼酎がいい」
くらいで、何を飲んでもアルコールはアルコール、尿酸値を
上げることに変わりはありません。

 さらに、アルコールには酒の肴が基本的にはセットです。
気をつけなければならないのは、むしろ肴の方で100g
中のプリン体は、レバー類や魚の白子で300mg以上、
赤身の魚は200~300mg、肉類は100~200mg、
と、アルコール類の比ではありません。

 ただ、チーズなどの乳製品はリスクを下げることが知られて
います。また、アスパラガスなど野菜類のプリン体は動物由来
のプリン体と比べ、尿酸値をあまり上げないとのことです。
肴の選び方で明日の尿酸値が大きく変わりますね。

 そんなこんなで、血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超過
すると、痛風発作の確率が上がります。因みに9.0mg/dL
以上だと1年以内に痛風発作を発症する確率は約5%です。
(Campion EW, et al. Am J Med. 1987;82:421-426.)

 痛風発作のリスク因子として、アルコールや食事以外では、
肥満、高血圧、高コレステロール血症、などがあります。
どのリスク因子も生活習慣と密接に結びついていることが
わかります。気になる方は、取り組みやすいところから
始めたらいかがでしょうか。

 最後に、今まで何人かの人の痛風発作の相談を受けました。
日頃の尿酸値の管理は受診してコントロールするべきですが、
やむを得ず漢方薬を出したことがあります。鎮痛目的で一時
しのぎですが、どのケースもよく効いたと言われました。
あくまで緊急的な対応ですけれど、漢方薬の効果を実感した
次第です。


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腎臓寿命を意識しよう

 薬局でのセミナー開催に備えて、資料を準備していて
腎臓の寿命について考えていました。
腎臓の寿命が尽きる時とは一般的に人工透析を導入する
時です。

 色々な相談の流れの中で、直接あるいは間接に腎臓の
相談を受けます。透析導入間近になって透析導入を
遅らせたいと相談される方も少なくありませんが、腎機能
の余力がほとんど残ってない状態では、期待に応えられ
ません。

 15年くらい前からでしょうか、慢性腎臓病(CKD)
という概念が提唱されました。腎臓は糸球体という組織で
血液を濾過します。腎機能が低下すると糸球体での濾過の
効率が悪くなります。

 この濾過の効率はGFRで表しますが、クレアチニンや
年齢などから計算した推定値を一般的には用いているので
eGFRで表すのが多いです。この数値が60を下回ると
慢性腎臓病(CKD)という病名がつきます。

 年齢や基礎疾患によりますが、GFRは毎年1~2ずつ
低下します。例えば60歳の時点でGFRが60だった
場合、80歳の時点ではGFRは計算上20~40になり
ますから、ギリギリ透析導入は免れることでしょう。

 ただ、高血圧や糖尿病ではGFRの低下速度はもっと
早くなります。コントロールが悪かったり、たんぱく尿が
認められれば、さらに低下速度は加速します。
ですから、まず基礎疾患の治療をきちんとするのが一番の
基本です。

 腎臓は貧血や虚血(血流低下や脱水など)に弱い臓器
です。なので基礎疾患の治療をサポートするために、
血流を促進する漢方薬や栄養剤やサプリメントを組み
合わせます。劇的な改善はほとんどありませんが、それが
現実です。

 ですから、健康診断では腎臓の寿命を意識して、早めに
相談してもらいたいと思うのです。早い段階なら打てる
有効な対策があるのですから。


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ピロリ菌以外の胃がんの犯人

 「口は禍の元」ならぬ「口は大病の元」と言えるでしょう。
ピロリ菌は胃がんの原因として広く知られています。そのため、
早期発見、早期除菌が勧められているわけです。

 ところが、ピロリ菌だけでなく、口腔内の常在菌も胃がんの
発症や進展に関わっているようです。
https://www.mdlinx.com/article/new-culprit-found-in-gastric-cancer/5TRXVvKLNEt285ZVEmdyfw

 細菌はいないとされていた胃でピロリ菌が発見されて数十年、
ピロリ菌の発見者はノーベル賞を受賞しました。それほど、
画期的な発見だったわけです。

 そのピロリ菌以外にも多数の細菌が生息しているということを
最近知りました。多くは口腔内に住む一般的な細菌です。
ただ、彼ら細菌は組織に炎症を起こし、細胞にダメージを
与えます。その結果、胃では胃がんの発生に関与していると
いうことです。

 香港中文大学の研究者らはStreptococcus anginosusに
注目した結果を報告しています。
ピロリ菌がいなくても、ピロリ菌と同様に胃に炎症を起こし、
胃がんへの変化を進めることなどが確認されています。

 他の口腔内細菌も、ニトロソ化合物などの発がん物質を
生成したり、細胞を傷害したりと、ピロリ菌にだけ注目して
いては胃がんを予防することは難しいでしょう。

 対策は、特に口腔衛生に関心を持つことです。その上で、
ブラッシングや定期的な歯科受診という行動を起こすこと。
これは、糖尿病や心臓病といった大病の予防にもつながります。

 口腔内細菌は、腸内細菌叢にも影響を及ぼします。その結果、
全身の多様な病気に関係してきます。
改めて、口-胃-腸は一本の管ということを認識させられますね。


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第22回セミナー開催のお知らせ

 今年2回目のセミナー開催です。
準備の都合もあり、今回は申し込みの締め切りを
設定しましたので、ご注意ください。

 肝臓も腎臓も沈黙の臓器ですが、若い人や
痩せている人でも脂肪肝が増えています。
また腎機能が低下するCKDや透析導入一位の
糖尿病性腎症なども患者数が増えているのです。

 そこで、今回のテーマに肝臓と腎臓を選び、
上手ないたわり方を勉強したいと考えました。


テーマ : 肝臓と腎臓をいたわる健康法

内容 : 肝臓の働きと肝機能検査値の見方
     腎臓の働きと腎機能検査値の見方
     気をつけたい肝臓の病気とその対策
     腎臓に優しい生活で透析を防ぐ   など

日時 : ①5月18日(土)10:30~
     ②5月21日(火)18:30~
     ③5月23日(木)13:30~
      いずれも1~1.5時間程度

締切 :  5月15日(水)19時まで

定員 : それぞれ4~5名(先着順)

会場 : ひろはし薬局

参加費: 500円+(年会費500円)
     今回のみ参加の方 800円(年会費0円)

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コロナ感染した時、体内では何が起きていたか?

 不覚にも、先週前半は私がコロナ感染したため、緊急に臨時
休業をしてしまいました。ワクチンは5回済んでいたとはいえ、
もはや効果は限定的だったのでしょう。でも、順調に回復し
後遺症の心配も今のところないのは幸いです。

 ところで、完璧ではないものの要所要所でマスクや手洗いを
していたため、感染経路は全く思い当たりません。それだけ、
いつ、誰が感染しても不思議ではないのでしょう。それが
現状なのだと思います。

 異変は咽の痛みで始まりました。なんとなく違和感を感じては
いたものの、「一過性のものだろう」と軽くみていました。
時々、葛根湯や葛根湯加桔梗石膏を飲みながら仕事を普通に
こなしていました。

 この時は既に咽頭部あたりに新型コロナウィルスは感染して
増殖を始めていたのでしょう。ウィルス感染に対し、私の身体は
インターフェロンαやβを出して、ウィルス増殖を妨害していた
はずです。ただ、漢方薬を飲むにしても真面目とは言えない
飲み方でしたし、安静などせずに普通に仕事をしていたので
ウィルス増殖に傾いてしまいました。

 2日目は強い咽の痛みがあり、重度の咽頭炎といえる症状
でした。咽頭部の細胞の傷害が大きかったということを
示しています。それでも私の身体も無抵抗だったわけではなく
インターフェロンでウィルスを攻撃しつつ、マクロファージ
などからTNFαやIL12を出して、1型ヘルパーT細胞や
ナチュラルキラー細胞に働きかけています。

 38℃台という高熱や強い倦怠感は、インターフェロンや
TNFαなどの影響です。順調に免疫反応を強化している
段階の正常な反応とみて良いのですが、食欲も低下しており
免疫系を動かすエネルギーは私の体脂肪が中心でした。

 3日目も2日目と同じような症状でしたが、ナチュラル
キラー細胞が活躍しているのでしょう。咽の痛みは最高に
達しましたし、発熱も40℃まで上がりました。さすがに
体力低下を抑えるために、カロナールを使用しましたが
免疫系に頑張ってもらうために、5日間で3回だけの
使用で済ませています。

 治療のメインを漢方薬としたのは、私の免疫系をスムーズに
働かせるためです。咽痛のピークを越えたものの咽頭部に
へばりつく痰と倦怠感をターゲットに柴胡桂枝乾姜湯加
桔梗石膏を飲みました。

 3日目ですから1型ヘルパーT細胞の働きで、キラーT細胞
や活性化マクロファージがウィルス感染した細胞を強力に
破壊し始めています。私の場合は、咽頭部の細胞が破壊され
咳や痰が残ることになるのは覚悟しなくてはなりません。

 でも、そのおかげで4日目以降は身体が楽になっている
ことを、文字通り体感できました。この頃には、メール会員の
方にお知らせすることも可能でしたが、脳はエネルギー消費の
激しい臓器ですから、身体だけでなく脳も安静にする方が
ベストと判断しています。

 恐らく、回復期に入ると少しずつ身体や脳を使いたい
衝動が誰しも湧いてくることでしょう。無理しなくては
生活が成り立たない人もいるでしょうが、ウィルス感染と
闘い、免疫系を動かしたことで、体力はかなり低下している
ものです。

 特に、新型コロナウィルスは呼吸器系だけでなく、循環器系や
脳神経系との親和性が高いウィルスです。約3割にものぼる
後遺症発症率を考えると、回復期の過ごし方はとても重要かと
思います。私の場合は、回復後5日~7日くらいまで、通常の
5割~8割程度に抑えながら身体をチェックしていました。

 オミクロン株に対して、ベテランの漢方医たちは柴葛解肌湯を
中心に治療して効果を上げていました。私が飲んだ漢方薬も
処方内容は柴葛解肌湯に近いものです。
早めに安静にして、きちんと漢方薬を飲んでいたら症状ももっと
軽く済んでいたかもしれません。「たら」「れば」の話に正解は
ありませんが、養生は軽く見ない方が良いと考えます。

 皆さんも、どうぞ気をつけてお過ごしください。



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 薬剤師・公認心理師・スクールカウンセラー  廣橋 義和

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カテゴリー: 漢方薬・東洋医学, 肺と気管支・呼吸器感染症 | タグ: , , , | コメントする