女性のうつ病と漢方薬

 どこの記事だったかハッキリ覚えてませんが、今、9月までは夏で
秋は10月のみ、11月からは冬だとか。確かに昨今の気象から受ける
印象はその通りですね。

 これからの秋は、詩的な表現なら感傷的になる季節です。冬なら
「冬期うつ病」という言葉もあります。
そこで、今回は「女性のうつ病」について。

 女性は男性よりも、うつ病になりやすいことが知られています。
その理由としてエストロゲン(女性ホルモン)の影響が考えられて
います。
(杉山暢宏,ほか.うつ病の性差について.信州医誌.2018.)

 杉山によれば、閉経前の女性はエストロゲンの影響で視床下部や
扁桃体が刺激され不安や恐怖からうつ病を発症し、閉経後はエスト
ロゲンが減少するため脳内でセロトニンが合成されないために
うつ病を発症するそうです。

 専門的な話になりますが、エストロゲン受容体にαとβの2種類
あり、どの臓器の受容体に結合するかで作用が決まります。
閉経前はうつ病を発症する方にも予防する方にも働くエストロゲン
ですので、それ以外の要因でうつ病になるかならないかが決定
されます。

 ところで、このような両面性を持っているのが漢方薬には多く
あります。実際に実験でエストロゲン様作用を持つ生薬も確認
されています。

 通常、うつ病の治療には抗うつ薬を用いますが、抗うつ薬で
充分な効果が上がらないタイプのうつ病もあり、その方が女性
であれば、エストロゲンの代わりとしての漢方薬によるうつ病
治療も考えられるわけです。

 そして、閉経前のうつ病は、エストロゲン以外の要因がある
わけですので、例えば認知行動療法をはじめ各種の心理療法も
選択肢の一つとして上がるでしょう。

 いずれにせよ、治療の選択肢が増えるのはいいことですし、
できるだけ安全性の高い治療法であれば更に結構なことです。
女性の方で、治りにくいうつ病で悩んでいるなら、一度考慮
してみてはいかがでしょうか。


  漢方薬と東洋医学の相談、心療内科領域の心の相談、丁寧な説明
 長岡の相談薬局・ひろはし薬局  TEL (0258)37-7551
     薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和

 問い合わせはこちらからどうぞ

 ひろはし薬局LINE公式アカウント開設しました
  ID @198xhqqe  よかったら登録してください

  メールは《Re:タイトル》でお願いします。
メールマガジンの申込も随時受付中
      8hirohashi\gmail.com (\は@に変えてください)    

 薬機法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。

 講演の依頼、受付ています。お気軽にお問い合わせください。

 訪問による出張相談・在宅相談にも積極的に応じています。
ひきこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、
病中・病後など体力低下により外出困難な場合、など遠慮なくお申し付けください
カテゴリー: 女性医療・PMS・不妊~産後・更年期, 心理療法・心理カウンセリング, 漢方薬・東洋医学, 精神・こころ・心療内科・心身医療 | タグ: , , , , | コメントする

新型コロナ、「エリス」「ピロラ」が登場

 「新型コロナウィルス感染症は、いつまでも変異を続ける感染症」
このような認識でいないと、いつ大流行を起こしても不思議ではない
非常に厄介な感染症なのでしょう。

 「終息」はないと思ってましたが、「収束」すら怪しいのでは
ないかと最近では考えています。
国内において感染の中心となる株はXBB系統の通称「エリス」と
されます。高熱やのどの痛みが強かったら、このエリスかもしれません。

 私の感覚では「急にエリスが拡がってきたなぁ」というところ
ですが、専門家の間ではオミクロン株系統の変異株「ピロラ」が
注目されています(XBBもオミクロンの流れを汲んでいます)。

 「ピロラ」の何が凄いかというと、変異の数が非常に多く、
既感染者が獲得した免疫やワクチン接種でできる抗体でも、感染を
ほとんど抑えられない(すなわち大流行する)のではないかと
考えられている点です。

 今のところ、重症化しやすいというエビデンスはありませんが、
動向から目を離さずにいる必要があるようです。
ただ、大流行すれば、これからの季節、インフルエンザなどのも
流行期とも重なり、医療機関はパニック状態になり、救急医療や
外科手術に大きな滞りが生じるかもしれません。

 オミクロン株系統が主流となり、感染法上の位置づけも変わり、
社会的活動も取り戻しつつある現在ですけど、重症化しにくい
とはいえ、後遺症で悩む方も多いのがオミクロン株系統の特徴と
私は捉えています。

 ワクチンの感染阻止効果は、新たな変異株に対して大きな
期待はできなくても、重症化予防や後遺症の発症防止に効果が
確認されてますから、この点も考慮してワクチン接種の可否を
判断するといいでしょう。

 後遺症に関しては、漢方薬を含め多様な治療法が試みられて
います。重要なことは、後遺症のリスクを下げるための重症化
予防であり、重症化を阻止するには感染機会を減らすことです。

 感染したら、重症化阻止のための炎症対策、および後遺症
リスク低減を考えて微小血栓対策を考えたいものです。
でも要所要所での、マスクや手洗いが非常に重要であることに
変わりはありません。


  漢方薬と東洋医学の相談、心療内科領域の心の相談、丁寧な説明
 長岡の相談薬局・ひろはし薬局  TEL (0258)37-7551
     薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和

 問い合わせはこちらからどうぞ

 ひろはし薬局LINE公式アカウント開設しました
  ID @198xhqqe  よかったら登録してください

  メールは《Re:タイトル》でお願いします。
メールマガジンの申込も随時受付中
      8hirohashi\gmail.com (\は@に変えてください)    

 薬機法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。

 講演の依頼、受付ています。お気軽にお問い合わせください。

 訪問による出張相談・在宅相談にも積極的に応じています。
ひきこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、
病中・病後など体力低下により外出困難な場合、など遠慮なくお申し付けください
カテゴリー: 肺と気管支・呼吸器感染症 | タグ: , , , | コメントする

第18回セミナー開催のお知らせ

 例えば、世界中をパニックに陥れた新型コロナ感染症。この
原因は新型コロナウィルスCOVID19です。感染した人も
大勢いましたが、感染してない人もいます。

 感染してない人は、感染予防策をしっかりしていたとか、
ワクチンを接種していた、などの他に栄養や睡眠が充分だった
ことなどがあります。このように病気にならずに健康状態を
維持できる要因は何か?と考える学問が「健康生成論」です。

 「健康生成論」は、感染症や外傷など急性疾患よりも、寧ろ
認知症や心血管病、ガン、うつ病など多くの慢性疾患対策に
効果的とされます。同じような状況にもかかわらず、病気に
なる人とならない人の違いを探り、(いわゆる)健康力を
上げる要因を特定していこうとする考え方です。

 この健康生成論を中心に、「あの人の元気の秘訣」を
紹介してみたいと思います。意外な研究結果もあります。
奮ってご参加ください。

第18回セミナー
テーマ:あの人の元気の秘訣 ~健康生成論~

内容:どうして、あの人は元気なの?(健康生成論から探る)
   どうして、あの人は薬が少ないの?(賢い患者になる)
   どうして、あの人は早く治るの?(健康貯金を貯める)
   健康生成論および患者学の視点から健康寿命を延ばす
   ポイントは「セルフモニタリング」+「SDM」 など

日時:①9月26日(火)18:30~
   ②9月28日(木)13:30~
   ③9月30日(土)10:30~ 1~1.5時間程度

定員:それぞれ4~5名(先着順)
会場:ひろはし薬局
参加費:500円+(年会費500円)
    今回のみ参加の方 800円(年会費0円)
申込:電話またはメールにてお申し込みください



  漢方薬と東洋医学の相談、心療内科領域の心の相談、丁寧な説明
 長岡の相談薬局・ひろはし薬局  TEL (0258)37-7551
     薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和

 ひろはし薬局LINE公式アカウント開設しました
  ID @198xhqqe  よかったら登録してください

  メールは《Re:タイトル》でお願いします。
メールマガジンの申込も随時受付中
      8hirohashi\gmail.com (\は@に変えてください)    

 薬機法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。

 講演の依頼、受付ています。お気軽にお問い合わせください。

 訪問による出張相談・在宅相談にも積極的に応じています。
ひきこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、
病中・病後など体力低下により外出困難な場合、など遠慮なくお申し付けください
カテゴリー: イベントなど, 健康論・相談哲学 | タグ: , , | コメントする

胃腸の水浸し状態を改善する

 なぜか新潟県だけ雨のほとんど降らない状態が続いています。
一時的な雨が降っても、まさに「焼け石に水」で、高温の地面を
冷やすことは期待できません。来年は、普通の夏を願います。

 乾ききった新潟県に対し、熱中症対策も兼ねて冷たい飲み物が
とても美味しい毎日です。ただ、ちょっと水分がだぶつき気味の
私です。皆さんはいかがでしょうか。

 自然の恵みとはよく言ったもので、胃腸の水分のだぶつきを
解消する植物がオケラです。新潟県では、佐渡に自生している
らしいのですが、私はまだ確認できていません。

 オケラの根茎を生薬名で朮(じゅつ)といいます。朮の配合
された漢方薬は多数ありますが、とりあえず朮が入っていれば
胃腸の水浸し状態は改善に向かうと考えて大丈夫でしょう。
でも、体質は考慮してください。

 ところで、胃腸が水浸しだと何が問題なのでしょうか。
もし周りに胃下垂の人がいたら、イメージが掴みやすいかと
思います。

 まず、胃に水分がタップリあると、当然すぐお腹いっぱいに
なります。食欲不振や消化不良に相当し、夏バテにつながります。
消化液も薄まりますので、消化不良に加え飲食物の殺菌も不十分に
なり、食中毒の危険性が高まります。

 腸の水分は、冷房や冷たい飲食とともに、下痢や軟便の原因に
なります。また水分摂取が多いということは、相対的に食物繊維が
少なくなることを意味し、腸内細菌バランスを崩すことで全身の
病気に影響が及ぶとも考えられます。

 一部、私の仮説が混じってますが、東洋医学では「胃腸は
水浸しに弱い臓器」とされます。この暑さがいつまで続くか
わかりませんが、胃腸が水浸しになっていると思ったら、早めに
専門家に相談していただけると、体調管理に役立つことと
思います。


  漢方薬と東洋医学の相談、心療内科領域の心の相談、丁寧な説明
 長岡の相談薬局・ひろはし薬局  TEL (0258)37-7551
     薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和

 ひろはし薬局LINE公式アカウント開設しました
  ID @198xhqqe  よかったら登録してください

  メールは《Re:タイトル》でお願いします。
メールマガジンの申込も随時受付中
      8hirohashi\gmail.com (\は@に変えてください)    

 薬機法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。

 講演の依頼、受付ています。お気軽にお問い合わせください。

 訪問による出張相談・在宅相談にも積極的に応じています。
ひきこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、
病中・病後など体力低下により外出困難な場合、など遠慮なくお申し付けください
カテゴリー: 漢方薬・東洋医学, 胃と腸・食道・肝臓・膵臓 | タグ: , , | コメントする

アルコールで顔が赤くなる人はガンになりやすい

 この夏は、各地で夏祭りも従来のように開催されているようですし、
お盆の帰省やら同級会やら、あちこちで宴会が開かれるようです。

 とはいっても、宴会で飲む程度のアルコールで、コロナウィルスを
消滅させることはできません。
また、アルコールは飲んだ水分以上に排泄されますので、脱水の予防
にもなりません。ご注意を!

 ところで、あなたはアルコールを飲むと顔が赤くなる体質ですか?
過去の資料をまとめている中で、「NPO法人 日本胃がん予知・
診断・治療研究機構」の食道がんリスク問診票と、「愛知県がん
センター研究所」の報告に目が留まりました。

 どちらも、アルコールを飲んで顔が赤くなる人は、赤くならない
人に比べて食道がんや膵臓がんになるリスクが高いとされます。
日本人の約4割は、アルコールで顔が赤くなるタイプですので
グループで飲むとき何人かはがんになりやすいと言えます。

 これには、アルコールを分解する過程でできるアセトアルデヒド
という毒性の強い物質が関連するようです。二日酔いのときの
不快な症状はほとんどがアセトアルデヒドによるものですので、
二日酔いに効果的な漢方薬や栄養剤やサプリメントは、がん予防に
期待できるかもしれませんが、私は確認できていません。

 もしかしたら、二日酔いが楽になるので飲酒量が増えてしまい、
結果的に途中でできるアセトアルデヒドも増えるので、がんの
リスクを高める可能性もあります。これもわかりませんが。

 いずれにせよ、「微酔を楽しむ」ような飲み方が、健康にも
経済的にもよろしいのではないでしょうか。
ぜひ、楽しんでお飲みください。


  漢方薬と東洋医学の相談、心療内科領域の心の相談、丁寧な説明
 長岡の相談薬局・ひろはし薬局  TEL (0258)37-7551
     薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和

 ひろはし薬局LINE公式アカウント開設しました
  ID @198xhqqe  よかったら登録してください

  メールは《Re:タイトル》でお願いします。
メールマガジンの申込も随時受付中
      8hirohashi\gmail.com (\は@に変えてください)    

 薬機法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。

 講演の依頼、受付ています。お気軽にお問い合わせください。

 訪問による出張相談・在宅相談にも積極的に応じています。
ひきこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、
病中・病後など体力低下により外出困難な場合、など遠慮なくお申し付けください
カテゴリー: 食事と栄養・運動・リハビリ | タグ: , , , , | コメントする

「シンデレラ体重」に憧れる女性へ

 「シンデレラ体重」という言葉を最近知りました。BMIで
18.0㎏/㎡となるような体重のことで、モデルのような
理想的な体重(医学的には痩せ)なのだそうです。

 私の感覚では、一時期よりも「痩せる」ことへの異常な
ブームが落ち着いていると思ってますが、あの手この手で
業界は、「痩身」「ダイエット」を仕掛けています。

 数少ない成功者の陰には、多くの失敗者がいて、時間と
お金の浪費に留まらず、現在と未来の健康まで犠牲にして
いるという現実があります。

 シンデレラ体重に憧れる女性の中には、摂食障害の方も
いることでしょう。これを「原因は本人の意識の問題」と
片づけるわけにはいきません。

 日本人は社会的な圧力に流されやすい国民です。誰でも
「肥満」という言葉から想像するイメージとして、糖尿病や
メタボリックシンドローム、自己管理ができない人、、、を
思い浮かべることでしょう。

 これらの無言の空気感が、いろいろな場面で発せられ、
何かのきっかけで心にキズを負った人にとっては、
「瘦せる」ことが唯一の居場所になりやすいのです。

 さて、「シンデレラ」に憧れる貴方。貴方の居場所は
「シンデレラ体重」のほかにもあるはずです。
今の貴方には信じられないかもしれませんが、私はあると
信じます。今は、まだ見つかっていないだけです。

 四葉のクローバーを探したことがあるでしょう。
見つからないときもありますが、見つかるときは1つ2つと
見つかったりするものです。誰かと一緒に探せば見つかり
やすいですよね。

 だから、貴方の居場所も今は見つからなかったとしても、
必ず見つかると私は信じることができるのです。
是非、探してみてください。


  漢方薬と東洋医学の相談、心療内科領域の心の相談、丁寧な説明
 長岡の相談薬局・ひろはし薬局  TEL (0258)37-7551
     薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和

 ひろはし薬局LINE公式アカウント開設しました
  ID @198xhqqe  よかったら登録してください

  メールは《Re:タイトル》でお願いします。
メールマガジンの申込も随時受付中
      8hirohashi\gmail.com (\は@に変えてください)    

 薬機法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。

 講演の依頼、受付ています。お気軽にお問い合わせください。

 訪問による出張相談・在宅相談にも積極的に応じています。
ひきこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、
病中・病後など体力低下により外出困難な場合、など遠慮なくお申し付けください
カテゴリー: 心理療法・心理カウンセリング, 食事と栄養・運動・リハビリ | タグ: , , , , | コメントする

ストレス・胃腸・腸内細菌

 ストレスにより胃腸の調子を崩すことは広く知られています。
だから、胃腸の調子を取り戻すにはストレスを減らしましょう
と、言われるわけです。

 ただ多くの方は、「それができたら苦労しないよ」と思って
いるわけで、医療者の「減らしましょう」は、とりあえず指導
したという実績になっているだけですよね。

 私は以前から違和感があって、役に立たないアドバイスなら
無いと一緒かと考えています。そして、ストレスは減らなくても
ストレスの影響を減らすような具体策を提案するようにして
います。

 それはさておき、《ストレス⇒腸内細菌叢の変化⇒消化管の
過敏性》という関連性が注目されています。
 胃腸の調子が崩れたら、「ストレスを減らす」のではなく、
腸内細菌叢を改善して「ストレスの影響を減らす」という方法
です。 (大島忠之.第18回日本消化管学会総会)

 大島らは、ストレス反応を緩和するような漢方薬の使用が、
腸内細菌叢を変化させ、消化管の過敏性を示す十二指腸の微小
炎症が減少したことを報告しています。

 腸内細菌叢の改善が安定するまでには、数週間程度の期間が
必要とされますので、漢方薬の効果が現れるまで数週間くらい
かかるのも納得できます。

 ストレスが関係する胃腸の不調に対し、漢方薬は効果的な
選択肢の一つです。腸内細菌叢の変化が関与することから、
整腸薬などのプロバイオティクスも選択肢に挙げられます。

 ただ、腸内細菌叢の変化は胃腸の不調につながる一つの
ルートに過ぎませんから、より根本的には認知行動療法など
の心理療法も活用して、ストレス関連疾患とされる心身症を
改善したり予防することが重要かと考えます。



  漢方薬と東洋医学の相談、心療内科領域の心の相談、丁寧な説明
 長岡の相談薬局・ひろはし薬局  TEL (0258)37-7551
     薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和

 ひろはし薬局LINE公式アカウント開設しました
  ID @198xhqqe  よかったら登録してください

  メールは《Re:タイトル》でお願いします。
メールマガジンの申込も随時受付中
      8hirohashi\gmail.com (\は@に変えてください)    

 薬機法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。

 講演の依頼、受付ています。お気軽にお問い合わせください。

 訪問による出張相談・在宅相談にも積極的に応じています。
ひきこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、
病中・病後など体力低下により外出困難な場合、など遠慮なくお申し付けください
カテゴリー: 漢方薬・東洋医学, 精神・こころ・心療内科・心身医療, 胃と腸・食道・肝臓・膵臓 | タグ: , , , , | コメントする

太りたい人、痩せたい人

 とかく、この世は皮肉なものかもしれません。
何を食べても太れない人がいます。一方、水を飲んでも太ってしまう
という人もいます。近年の研究では、痩せている人の腸内細菌を
太っている人に移植したら痩せてきたというものもあります。

 ですから、飲食物の消化・吸収の過程にも腸内細菌は、関わって
いると考えられています。でも恐らく、腸内細菌だけで結論が出る
ほど単純な問題ではないでしょう。

 東洋医学では、消化・吸収の機能は五臓の〈脾〉が担っていると
考えます。現代医学的な知見も入れると腸内細菌の複雑な作用も
〈脾〉の働きに含まれるかもしれません。

 私が若い頃、痩せて病弱な人を「ひよわ」と表現していました。
漢字で書くと「脾弱」です。文字通り、消化・吸収を担う〈脾〉の
働きが弱っているから太れないと考えられていました。
ただ、一般的には「脾弱」よりも「脾虚」という用語を用います。

 ですから、太りたいという人、痩せて困るという人、高齢者の
フレイル対策、病中・病後の体力回復、等々では〈脾〉の働きを
中心にみていくことになります。〈脾〉が弱った状態では、
どんなに優れた栄養を入れても、理論通りには太れないのです。

 逆に、水を飲んでも太ってしまう人は、〈脾〉の働きが
強過ぎるのかもしれません。専門的には「脾実」と呼んだり
します。この場合は、〈脾〉の強過ぎるエネルギーを鎮める
ような漢方薬を選択します。

 最近、新しい肥満症治療薬が使えるようになりました。
痩せたい人なら誰でも使えるわけではなく、かなり基準が高い
ようです。仮にハードルが下がったとしても、安易に薬で減量
するのは反対です。基本通り、生活習慣の改善に取り組みつつ、
プラスαとして薬(漢方薬も含みます)も選択肢に加えて頂け
たらと考えます。

 ただ一方で、太りたい人は先ず体質的な問題を改善する
ことが重要です。そして改善の程度に応じて、無理のない
栄養価の食事を摂取することになります。遠回りにみえても
一番確実な方法と考えます。焦らずに一歩一歩進みましょう。

 太りたい人でも、瘦せたい人でも、医療人としての私が
提供するのは、健康度の増加を伴った体重の変化です。
単に数字のアップダウンを目指すのは、医療の目的からは
離れていると考えます。


  漢方薬と東洋医学の相談、心療内科領域の心の相談、丁寧な説明
 長岡の相談薬局・ひろはし薬局  TEL (0258)37-7551
     薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和

 ひろはし薬局LINE公式アカウント開設しました
  ID @198xhqqe  よかったら登録してください

  メールは《Re:タイトル》でお願いします。
メールマガジンの申込も随時受付中
      8hirohashi\gmail.com (\は@に変えてください)    

 薬機法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。

 講演の依頼、受付ています。お気軽にお問い合わせください。

 訪問による出張相談・在宅相談にも積極的に応じています。
ひきこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、
病中・病後など体力低下により外出困難な場合、など遠慮なくお申し付けください
カテゴリー: 内分泌・代謝・糖尿病・メタボリックシンドローム, 漢方薬・東洋医学, 血液・総合診療・全身の不調 | タグ: , , , | コメントする

夏は注意!膀胱炎と腎臓病

 今年も猛暑あるいは酷暑という言葉が飛び交いそうです。
脱水のサインに気をつけながら、この夏を乗り切りましょう。

 一般的に夏期は冬期よりも血圧が低下しやすいため、一見
いわゆる生活習慣病の全てで軽症化するような印象があります。
でも、脳梗塞は夏期でも減少しませんし、誤った脱水対策で
急性糖尿病の発症も増加します。

 血圧の低下や汗による水分の喪失は、腎臓を流れる血液量が
少なくなるため1日の尿量も減少します。このことは腎臓での
老廃物の排泄に影響が及びやすくなるということです。

 尿量が減少すれば、排尿回数も減少します。長時間、尿が
膀胱内にとどまることで、尿に細菌が入っていれば膀胱炎を、
その細菌が腎臓まで侵入すれば腎盂腎炎を発症します。

 結石を作るような物質が多量に含まれていれば、尿路結石が
大きく育つことも考えられます。膀胱炎を繰り返しやすい人や
尿路結石の経験者は、脱水対策とともに尿の回数にも配慮すると
発症を予防しやすくなるのではないでしょうか。

 夏期のおおまかな傾向を掴んだところで、消炎鎮痛薬を常用
する方への注意です。アスピリンやロキソニンやイブプロフェン
などの消炎鎮痛薬は、その作用の特徴から腎臓の血流量を減少
させることがわかっています。

 そのため、腎臓の専門家は消炎鎮痛薬の使用について、注意
喚起をしています。重症例では急性腎不全を発症することも
あるといいます。

 慢性の頭痛や生理痛で鎮痛薬を常備している方、あるいは
整形外科にかかって鎮痛薬を処方されている方。これらの方は
膀胱炎や尿路結石に、更なる注意が必要です。

 予防策の一つは脱水対策をきちんと講じることですし、
鎮痛薬が必要な方は消炎鎮痛薬以外の選択肢(漢方薬や
アセトアミノフェンなど)をとるのも一つでしょう。

 手軽なモニタリングとして、1日の尿の回数をチェック
するのが簡便です。目に見えない汗で、意外に尿の回数は
減っていることに気づくのではないでしょうか。
鎮痛薬を飲んでいる方は、ご注意くださいませ。


  漢方薬と東洋医学の相談、心療内科領域の心の相談、丁寧な説明
 長岡の相談薬局・ひろはし薬局  TEL (0258)37-7551
     薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和

 ひろはし薬局LINE公式アカウント開設しました
  ID @198xhqqe  よかったら登録してください

  メールは《Re:タイトル》でお願いします。
メールマガジンの申込も随時受付中
      8hirohashi\gmail.com (\は@に変えてください)    

 薬機法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。

 講演の依頼、受付ています。お気軽にお問い合わせください。

 訪問による出張相談・在宅相談にも積極的に応じています。
ひきこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、
病中・病後など体力低下により外出困難な場合、など遠慮なくお申し付けください
カテゴリー: 腎臓・泌尿器・男性生殖器 | タグ: , , , | コメントする

「膝の痛み」には、何がいいのか?

 湿度の高いこの季節、慢性痛を抱えている人には、とても辛い
時季かと思います。それこそワラにもすがる思いでサプリメントの
ヒアルロン酸やコンドロイチンなどを飲んでいる人もいるでしょう。

 ある調査によると、40歳以上の日本人の約半数は「膝の痛み」で
悩んでいるとされます。痛みに対して、一般的に使用されるのが
鎮痛薬ですが、医師からの処方薬でも満足度は4割程度との結果
でした。(インターネットによるアンケート調査)

 不満足の内容は、「期待していた鎮痛効果が得られなかった」、
「これ以上痛みは軽減しないと思う」、「相談しても治療を変え
なさそう」とあり、これらの方たちはサプリメントや漢方薬、
または整骨院や整体などに流れることになるのでしょう。

 コンドロイチンやグルコサミンやヒアルロン酸など軟骨に
多く含まれる成分は、直接注射などで入れない限り、飲んでも
効果は期待できません。多くの人はすり減った軟骨が回復する
ことを期待していると思われますが、軟骨が増加したという
データは、ほとんどありません。

 その一方で、痛みが軽減したという結果があるのも事実です。
軽減しなかったデータもあるのですが、痛みが軽減した理由は
軟骨ではなく、膝関節周囲の腱や筋肉や筋膜などの組織の
柔軟性が高まったことではないかと推測しています。
膝の軟骨には効かないけれど、膝周囲の組織に効いているという
結論(仮説)です。

 寄り道をしました。膝の痛みは、膝の組織そのものが損傷し
炎症を起こしているだけではないので、痛み止めの効果が限定的
なのだと考えられています。そこで、炎症以外の原因として
痛みのブレーキ機能(下行疼痛抑制系といいます)の低下が
生じているともされます。

 このブレーキ機能には、脳内のセロトニンやノルアドレナリン
という物質が関係しているとされ、これらに作用する抗うつ薬が
慢性痛に使用されることがあります。薬の代わりに認知行動療法
などの心理療法を行うこともあります。

 大切なのは、慢性の痛みでは「炎症」以外の原因が関係して
いるということです。なので、いわゆる鎮痛薬の効果に限界が
生じるわけです。

 また、「膝に水が溜まる」こともあります。炎症に伴って
溜まる水は鎮痛薬で対応できます。一方、炎症を伴わない、
すなわち東洋医学的には「冷え」が関係する水もあります。
この場合は、温める漢方薬が必要になります。

 他にも、「カキ、コキ」と膝を曲げたり伸ばしたりする際、
膝が鳴る場合もあります。機械類なら潤滑油を注したい状況で、
漢方薬の補血薬や駆瘀血薬が効果的です。
 さらに、ストレスや自律神経バランスの影響を受けている
こともあり、どれも痛みの慢性化に関わっています。

 このように「膝の痛み」といっても多彩な背景があります。
「痛みがあるから鎮痛薬」という単純な発想では、炎症に伴う
痛みだけは鎮めることができても、慢性に経過し複雑化した
痛みには効果が限定的なのです。

 次の選択肢を考える際に、多少とも参考になれば幸いです。
選択肢に悩んだら、是非お声掛けください。



  漢方薬と東洋医学の相談、心療内科領域の心の相談、丁寧な説明
 長岡の相談薬局・ひろはし薬局  TEL (0258)37-7551
     薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和

 ひろはし薬局LINE公式アカウント開設しました
  ID @198xhqqe  よかったら登録してください

  メールは《Re:タイトル》でお願いします。
メールマガジンの申込も随時受付中
      8hirohashi\gmail.com (\は@に変えてください)    

 薬機法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。

 講演の依頼、受付ています。お気軽にお問い合わせください。

 訪問による出張相談・在宅相談にも積極的に応じています。
ひきこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、
病中・病後など体力低下により外出困難な場合、など遠慮なくお申し付けください
カテゴリー: 外科・整形・救急 | タグ: , , | コメントする